本報告は,給水系と排水系の関連性を考慮し,主としてSトラップの場合に,自己サイホン作用が封水損失に及ぼす影響を調べる目的で行った実験的研究である.実験方法は,自己サイホン作用に影響を及ぼす要因として考えられる器具底板こう配,排水口形状,継手形状,横枝管の長さおよび管径その他の諸要素を各々変化させ,給水側はため洗いと流し洗いの使用状況を想定して行った.器具は,手洗い器・洗面器に対応させた模型器具と実物器具を用い,排水管内の流れの観察をするとともに,封水損失,プラグフロー発生回数と発生時間,排水特性および管内圧力などについて解析した結果,封水損失は,器具底板こう配に最も影響を受けていることなどが明らかになった.
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