韓半島の中生代花崗岩質岩の全岩のεNdは-14.9~+0.4であり,初生
87Sr/
86Srr比は0.704~0.717(εsr=-2.5~183.7)であった.
Nd-Sr同位体比の変化は負の相関性をもち,地質と地理的特性により,Nd-Sr同位体組成は中生代慶尚堆積盆地の花崗岩と先カンブリア地域の花崗岩に分けられる.慶尚堆積盆地の白亜紀花崗岩のεNdは4.4~+0,4,初生87Sr/86Sr比0.704~0.706(εSr=-2.5~33.5)で,マントル起源花崗岩質マグマの特性を現らわす.また白亜紀花崗岩と密接に産する安山岩質岩の同位体組成(εNd=*12.6~-0.8,初生
87Sr/
86Srr比=0.705~0.707,εSr,=9.4~389)は花崗岩の同位体組成と類似し同源マグマ起源から由来したと考えられる.
一方,中生代堆積盆地外側地域と沃川地向斜地域のジュラ紀花崗岩は,白亜紀のものより低いεNd値(-21.0~-13.6)と高い
87Sr/
86Srr初生値(0.711~0.717,εSr=97.3~183.7)をもち,著しい地殻物質の特徴を現わす.
沃川地向斜地域の白亜紀花崗岩は慶尚堆積盆地の同時期花崗岩のNd,Sr同位体組成とは異なり,ジュラ紀花崗岩の同位体特性を現わす.それは花崗岩の貫入年代よりも地殻物質の同位体に富むマグマの起源によると考えられる.
2ステージモデル年代は白亜紀花崗岩は0.5~1.1Ga,ジュラ紀花崗岩は1.6~2.2Gaがえられ,中生代深成岩類の起源物質はmid-Proterozoicにすでに進化したと考えられる.
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