歯科医学
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  • 清水谷 公成
    原稿種別: 総説
    2020 年 83 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    密封小線源治療は古くから行われ,口腔癌に対して高い局所制御率が得られている.本治療法の特徴は腫瘍への優れた線量集中性である.スペーサーを利用することで線源から10mm離れた箇所での50%線量低減などの特徴もあり,30年以上もの間,本法が存続できた大きな理由と考えられる.密封小線源治療である組織内照射は口腔癌の中では舌癌,口底癌,頬粘膜癌が適応となる.1973年,大阪大学医学部附属病院放射線科に針状線源であるIr‐192(半減期74日)ヘアピンおよびシングルピンが導入された.

     低線量率組織内照射(low dose rate interstitial brachytherapy: LDRと略す)である.本治療法はRa‐226線源に代わって,1973年〜1991年まで行われた.

     一方,1991年,同病院ではIr‐192線源を用いた遠隔操作式後充填法(RALS:remote afterloading system)による高線量率組織内照射装置(Nucletron社製microSelectron‐HDR: MS‐HDR)が導入された.高線量率組織内照射(High dose rate interstitial brachytherapy: HDRと略す)である.

     そこで今回,低線量率(LDR: low‐dose rate)組織内照射と高線量率(HDR: high‐dose rate)組織内照射における適応と拡大について検討し,以下のように結論付けられた.

     1)舌癌組織内照射(LDR, HDR)は治療を選択する患者,提供する医療者にとって重要な選択肢(適応)の一つであり,舌癌根治治療において極めて有用性の高い治療法である.

     2)特にHDRは隔離病室の必要性がなく,医療従事者の被曝が皆無で,かつ局所制御率においてLDRと遜色がない優れた治療法である.また,T分類別局所制御率においてもT3の進行癌に対してHDRの治療成績が高いことから,今後,その適応拡大が期待されるところである.

  • 村井 亜希子, 錦織 良, 神 光一郎
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 83 巻 2 号 p. 68-75
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    本研究は,わが国における歯科衛生士の就業実態や医療・介護現場で歯科衛生士が行っている処置・指導の状況などの歯科衛生士の需給に関する実態について明らかにするとともに,将来的な歯科衛生士の需給バランスについて検討することを目的として行った.分析データには,厚生労働省が実施している国家統計調査の結果および本学附属歯科衛生士専門学校に応募があった求人票を用いた.

     その結果,全国の歯科衛生士養成学校数は2010年から2019年の10年間で9校増え163校であった.就業歯科衛生士数を年度ごとに累積人数で推計したところ,ほぼ半数の者が歯科衛生士として就業していない実態が明らかとなった.一方,30歳以上では就業者数が増加しており,特に50歳以上ではその傾向が顕著であった.歯科衛生士の就業状況では90%の者が歯科診療所に従事していたが,一般病院や介護保険施設における歯科衛生の従事者数および保険点数の算定回数が大幅に増加している傾向が示唆された.求人票のデータ分析では,求人応募機関数が2010年度の443施設から2017年度には944施設と2倍以上に増え,特に病院からの求人が2010年度の6施設から2017年度には31施設と急増していた.

     本研究により,歯科衛生士の需要が経年的に増していることが窺え,今後も周術期や介護現場等での専門的口腔管理の重要性が浸透し,歯科衛生士の需要は高まることが推測される.一方,歯科衛生士国家試験合格者のほぼ半数が歯科衛生士として就業しておらず,20歳代の就業歯科衛生士数が他の年齢層の就業歯科衛生士数と比べて減少傾向を示していることが明らかとなった.今後歯科衛生士の需給を検討する上では,歯科衛生士が生涯を通じて資格を活かすことのできるワークライフバランスや待遇の改善,医科歯科連携や高齢者の口腔機能管理などに係る教育カリキュラムの充実など,有資格者が歯科保健医療に貢献できる就業の在り方を検討することが課題であると考えられる.

  • 辻 要, 今井 美季子, 仲間 ひとみ, 覺道 昌樹, 永久 景那, 小滝 真也, 北吉 麻理奈, 石川 敬彬, 貴島 真佐子, 田中 順子 ...
    原稿種別: 研究論文
    2020 年 83 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

     自家歯牙移植は歯の喪失に対する有用な治療法の一つと考えられている.今回われわれは当院における歯根完成第三大臼歯を移植歯とした自家歯牙移植の臨床的検討を行ったので報告する.

     対象は2013年4月〜2018年3月に当院で歯根完成第三大臼歯を移植歯として自家歯牙移植を行った32例である.それらに関して患者の性別,年齢,受容部位,移植歯,移植方法,経過観察期間,術後経過(生存率,移植歯の歯周ポケット,動揺度,違和感およびデンタルX線写真による歯根膜腔・歯槽硬線・歯根吸収の有無)の検討を行った.

     患者の内訳は男性4例,女性28例で,年齢は22〜64歳,平均38.8歳であった.受容部位は─┐6│部と┌─│6部が各8例と最も多く,上顎が5例,下顎が27例と下顎に多かった.移植歯として用いられたのは─┐8│が13例と最も多かった.移植方法は即時型移植が25例,遅延型移植は5例,異時移植は2例であった.経過観察期間は6か月から4年10か月で平均は1年10か月であった.また,1年以上経過観察を行った症例は23例(74%)であった.移植歯の1年生存率は96.9%で,3年生存率は85.7%であった.移植後に脱落したのは1例で術後1か月に自然脱落した.抜歯に至った症例はなかった.移植歯の歯周ポケットが4mm以上のものは4例認め,8mmが1例,4mmが3例で,受容部位は─┐6│部および┌─│6部が各2例であった.骨新生遅延および歯根頸部吸収は1例にみられた.両者ともに同一症例で受容部は─┐6│部で動揺度1度で歯周ポケットが8mmであった.当院での第三大臼歯を利用した自家歯牙移植歯の生存率は高く,歯の喪失に対する有用な一手段と考えられた.

  • 2020 年 83 巻 2 号 p. 83-84
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/25
    ジャーナル フリー

    1. 福原隆久, 土居貴士, 三宅達郎. International Caries Detection and Assessment System(ICDAS)による乳歯初期齲蝕の活動性評価と発生リスク判定に関する研究.

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