筆者らの1人は従来から一般に用いられる単量体型の可塑剤 (分子量400前後) について可塑剤の作用をあきらかにするため, 混和物中の可塑剤の拡散係数
Dおよび混和物の内部粘性ηとの関係を考察してきた. ここでは同様の考察をポリエステル系可塑剤についておこなった。
ポリエステル系可塑剤のビニル樹脂内部での拡散の活性化エネルギー, 活性化エントロピーはDOPに比較して大であり, またポリエステル系可塑剤は
D・ηの濃度変化より考察すれば, ポリ塩化ビニル樹脂と可塑剤の相互作用を表わす定数μは0.8前後であり, 油型の可塑剤であることを示している。可塑剤の揮散速度の濃変変化からもμが約0.6の値が得られた。
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