スチレン化エポキシ樹脂は塗料として, 密着性, 耐薬品性, 耐候性のすぐれた, 速乾性の皮膜を作ることは, 現在まで多くの研究がなされ, 発表されているが, 我々は, ブリキ印刷のコーチング用樹脂としての観点から, 脱水ヒマシ油, 大豆油, 脂肪酸を使用した, スチレン化エポキシ樹脂を試作した。
本実験においては, 特に, エポキシエステルの油長や酸価が, スチレン化の難易や, 最終のスチレン化エポキシ樹脂のブリキ板コーチングとしての適性にいかに影響するかを調べた。
その結果を総括すると,
(1) スチレン化物製造の難易は, 本実験の組み合わせでは, 油分が少ない方が良く, スチレン化率も, 油分が少なく, 酸価の低い方が良かった。
(2) 塗膜性能は, 光沢や, 耐薬性は, 酸価が低いと劣るが, 油長には影響なく, 密着性, 耐熱黄変性, 耐蒸気テスト, 打抜きテスト, 耐ガソリン, などの点では明りょうな差を認めなく, 硬度のみ油長と関係がある。
抄録全体を表示