メタリック色の色相管理はその性格上, ソリッドカラーに比較して困難であるが, 乗用車仕上用塗料として広く量産態勢下に使用されるようになつた現在, これをソリッドカラーの管理水準と同程度まで引きあげることは是非必要なことである。
このためにメタリックの色相管理の手段として, 数値管理を導入することの可能性をCM-20型色差計を用いた実用試験によつて検討した。
ソリッドカラーと同程度の管理水準で塗装した場合, メタリックカラーは, かなり大きなバラツキを示し, 色相管理は困難である。バラツキの中最大のものはメタリック感で, これには色差計のL値が近似的に対応する。
色あしについてはa, b値が対応するはずであるが, L値のバラツキの大きい間は眩惑されて目視との相関性は低下する。
メタルのあらい色と細かい色とでは塗装によるバラツキに差があり, あらいものは板間変動が小さくて日間変動が大きく, 細かいものは逆の傾向がある。塗装条件の中最も寄与の大きなものは粘度と吐出量で, 特に吐出量は少ないレベルでせまい巾に規制しないと管理の目的を十分に達し難い。
色差計による数値管理は, 板内変動についてなお問題があるが, 実用的に有効な方法と判断される。
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