水性印刷イソキ, 水性塗料などでは, 顔料の水中への分散性が重要な問題となる。
酸化チタソー水分散系における各種分散剤 (界面活性剤, 縮合リン酸塩, デソプソ, アラビアゴム) 添加の効果について, 沈降容積, ζ電位, 吸着などから検討した結果, 次の知見を得た。
1) 分散状態は酸化チタソおよび分散剤の種類などによって左右されるが, タイペークA-100 (アナターゼ型), タイペークR-550 (ルチル型) に対する最適な分散剤とその濃度は次の通りであった。
A-100 : 0.06%ヘキサメタリン酸ナトリウム
R-550 : 0.5%陽イオン界面活性剤カチオーゲソH (ピリジン型)
これらの系における粒度積算分布曲線から求めた積算50%径D
50はA-100 : 0.27μ, R-550 : 0.35μであった。
2) 分散性の向上はイオン性界面活性剤や縮合リン酸塩系では電気的反発力によるが, デソプソやアラビアゴム系の場合は吸着分子の立体障害による。
3) R-550に対する陰イオソ界面活性剤ニッコールOTP (ジオクチルスルポサクシネート) の吸着等温線および沈降容積などから, 単分子層飽和吸着される濃度の付近で最も良い分散状態が得逸られた。
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