6種の着色剤で着色したスチレン樹脂 (PS, ABS) とポリオレフィン樹脂 (PE, PP) とを対象として, 屋外ばく露による変退色における規則性の成立と定量化の可能性を追求した。
全ナチュラル試料および着色スチレン樹脂の大部分には, ばく露時間Tと色差ΔEとの間に式 (1) が成立するが, より広範な着色プラスチックに認められるのは式 (3) の規則性である。
ΔE=K
1T+C
1 (1), logΔE=K
3T+C
3 (3)
これらの式における速度係数K
1, K
3および定数項C
1, C
3によって色差からみた耐候性の評価が可能である.また, ナチュラル試料の黄変度ΔYIに対しては式 (1) と同形の式 (2) が成立するし, 色差と素材
ΔYI=K
3T+C
2 (2), ΔE=K
4ΔYI+C
4 (4)
の黄変度とでは式 (4) であらわされる良い相関関係が存在する。
なお, これらの式はいずれもばく露8カ月以後に成立する。例外的に式 (3), (4) も成立しない試料があるが, これらはいずれも色差が小さく, しかもばく露により主波長や刺激純度が複雑に変化している。
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