DETA硬化エポキシ樹脂について直流電導度 (σ
v) のに対するDETA含有量, 温度の効果を検討した。その結果, 以下のことがわかった。
1) σ
v~DETA含有量関係は
Tg前後で異なり,
T<TgではDETA含有量の増加とともにσ
vは順次増大するが,
T>Tgでは当量点近傍で極大点をもつ。
2) 直流電導に対するアルンニウス型の見かけの活性化エネルギーは
T<TgではDETA含有量の増加とともに減少し, また
T>Tgでは当量点近傍で極小値をもつ。
3) 本試料系についてlnσ+
Eb/RT=lnσo-γvi*/vfの式が成立し, 柴山の理論を支持している。ここでσ,
Eb, R, T, σo, γ, vi*, vfはそれぞれ直流電導度,
Tg以下での見かけの活性化エネルギー, 気体定数, 絶対温度, 定数, 自由体積の重なりを表わす補正係数, イオンの移動に必要な最小体積, 自由体積を表わす。
4) イオンの移動に必要な最小体積はDETA含有量の大小に関係なく, 0.26~0.30cc/gでほぼ一定の値をとり, これはセグメントの運動に必要な最小体積の約1/3である。
5) イオンの解離エネルギーはDETA含有量によって異なり, イオンの発生起源が各試料によって異なっていることを示唆している。
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