熱硬化性アクリル粉体クリアー塗料の等温粘性挙動を円錐・円板型粘度計で測定し, 測定結果の解析より非等温粘性挙動の実験式を得た。
1nη=1nη
I+∫
toSTEP (Pnon) ・K・dt
ただし, ηは非等温粘性挙動, η
Iは初期粘度
Pnonは非等温下の増粘開始時間
STEPはステップ関数, Kは増粘速度tは測定時間である。
初期粘度と増粘速度の温度依存性は, 各々Andrade, Arrhenius型であり, 見かけの活性化エネルギーは, 各々42.7, 17.5Kcal/moleであった。
実験式を用いて昇温粘性挙動の模試をおこない, その結果より, 昇温粘性挙動は一般にV字型の曲線となり最小値 (最小粘度) を有すること, 最小値は昇温条件 (昇温速度, 初期温度) や各係数 (初期粘度, 増粘速度, 等温下の増粘開始時間) に依存していることがわかった。
さらに, 粘性挙動が形成する曲面 [η=η (t, T)] の等高線図や立体図を描き, 粘性挙動の概念を明確にした。
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