A1 (III) とCo (III) の混合水溶液に (NH
4)
2CO
3水溶液を加えて, 種々のモル比の共沈殿物を作り, これを焼成してコバルト・ブルーを製造し, 従来から行なわれている乾式法による製造と比較検討した。
その結果, ジブサイトと塩基性炭酸コパルトとを原料とする乾式法による製造では, 1,000℃で初めて青色に発色するのに対し, 共沈殿法では600℃でもスピネル (不完全スピネル) を形成して鮮明な青色を呈し, 乾式法に比べてかなり低い温度でも製造が可能となった。また, 色彩におよぼす混合比の影響は, 共沈殿法の方が乾式法よりも大きかった。粉末としての色彩は, 共沈殿法で製造したものは, 乾式法で製造したものに比べて一般に青味が強く, 特に600~900℃で焼成したものは, その傾向が著しく, グンジョウに近い色調を呈した。
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