本報は市場走行車に塗装された自動車補修塗膜に発生したはがれとふくれについて, 層間はく離面を顕微鏡観察により検討したものである。結果を要約すると, 補修塗膜にはがれやふくれを生じたのは次の場合である。
(1) 下塗り塗膜の研摩きずが消失したとき。
(2) パテあるいはプライマーサーフェサーの研摩面に空隙があるとき。
(3) ニトロセルロース系ラッカープライマーサーフェサーとウレタンアルキド系エナメルを組み合わせたとき。
はがれやふくれのような塗膜欠陥は, 塗膜の層間付着性が不良のために発生するものであり, 補修塗装操作を考慮して, 塗膜欠陥発生の原因について考察した。
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