アニオン型電着塗料 (A), カチオン型電着塗料 (C), ジンククロメートを含む旧タイプの溶剤型プライマー (S) につき, 表面処理の種類を変えて海上バクロによる耐SC性 (耐スキャブ・コロージョン性) と, ソルトスプレーテスト600時間後の錆発生量, 錆の深さを測定した結果, 以下のことが判明した。
1) AはC, Sに比べ, 表面処理の種類とは関係なく, 耐SC性は最も劣っており, 錆発生量も最も多い。
2) 測定データを総合的に見た場合, Cは耐SC性, 錆発生量, 錆の深さのいずれにおいても, Sとほぼ同等である。
3) Aの系での錆は, 浅く, 平面的に広がる傾向があるが, C, Sの系は, 孔食の傾向が認められる。Aの耐SC性がC, Sより悪いのは, 錆の成長が, より平面的に広がる性質によるためと思われる。
4) 耐SC性, 耐ソルトスプレー性に与える表面処理の影響は, きわめて大きい。電着塗料AとCの系では, クロムリンスが, 耐食性向上にとくに大きな効果を与えることが認められた。
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