石英粉体あるいはシリカゲルを充てん剤とした場合の遠心式液体クロマトグラフによるオイルグリーンの分離および溶離液 (トルエン) の流動が検討された。その結果, 次の事柄が認められた。 (1) 回転速度Nに対する流量QはQ=KN
2で表わされる (Kは溶離液あるいは充てん剤の物性および装置定数などを含む定数) 。 (2) 色素の保持時間t
Rはπ (r
23-r
22) h/Qに比例し, 比例定数はε (1+K) である。ここにπ (r
23-r
22) h, εおよびKは充てん剤の充てん容積, 空隙率および分配に関する係数を表わす。 (3) 色素の保持容積は充てん量一定の場合には流量に関係なく一定である。 (3) 色素の保持容積は充てん剤の充てん量に比例し, 比例定数はε (1+K) /ρ (1一ε) であることが確かめられた。 (5) オイルグリーンはシリカゲルにより黄色成分および青色成分に分離するが, 石英では分離しない。 (6) 分離能, 微小円環要素数の検討から, カラムクロマトグラフィーでのプレートの代りに等容積の同心円状に配列した微小円環要素を考えるならば, 遠心式液体クロマトグラフィーはカラムクロマトグラフィーでのプレート理論と同様な分離機構で説明可能である。
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