n-, iso-, sec-ブタノール処理シリカゲルの熱分解が, 処理に用いたこれらのアルコールの気相, シリカゲル上での熱分解との比較において検討された。tert-ブタノールの気相あるいはシリカゲル上での熱分解も併せて検討された。熱分解の検討は分解生成物を四重極質量分析計 (QPMS) あるいは必要に応じてガスクロマトグラフ-四重極質量分析計 (GC-QPMS) で分解生成物を分析することによりなされた。これらのブタノールの気相熱分解では脱水素, 脱水反応が併発する。シリカゲル上での熱分解ではオレフィンおよび水が主反応生成物であり, 脱水反応が選択的に促進されることが認められた。表面処理シリカゲルでは主反応生成物はオレフィンおよび水であるが, これらの生成量比は一定とならないから, これらはそれぞれ別な反応機構で生成すると認められた。これから処理シリカゲル付着基はROHとして吸着した化学吸着種ではなく, →SiORとして化学的に結合した結合種と認めることができた。
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