色材協会誌
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55 巻, 5 号
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  • エステル化シリカゲル表面におけるスダンIの合成
    鈴木 充, 伊藤 征司郎, 桑原 利秀
    1982 年 55 巻 5 号 p. 280-287
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    シリカゲルの表面シラノールを, アゾ染料であるスダンI (1-フェニルアゾ-2ナフトール) に類似の構造に誘導して, シリカゲルを核とする赤色の有機顔料を製造することに成功した。すなわち, 表面シラノールを芳香族アルコールあるいはフェノール ((CH2) n-OHただい, n=0, 1, 2, 3) でエステル化してシリカゲル表面にフェニル基を導入し, このフェニル基をニトロ化, 還元, ジアゾ化, カップリングして, スダンIに類似の表面基をシリカゲル表面上で合成する方法である。
    その結果, 得られた顔料の色相はスダンIのそれとほぼ同様であったが, エステル化の際に用いたアルコールのメチレン鎖が短いものほど色合いが淡く, フェノールを用いたものが最も淡くなった。このことは, シリカゲル表面に合成したスダン1に類似の表面基の量に対応していると推定した。また, このメチレン鎖が長いアルコールを用いて製造した試料ほど加水分解を受けにくいことも認めた。
  • 伊藤 征司郎, 宇都宮 康晴, 桑原 利秀
    1982 年 55 巻 5 号 p. 300-304
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    第二鉄塩水溶液に種々の塩基性物質の水溶液を加えて透明な陽性の水和酸化鉄ゾルを調製し, このゾルにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を水和酸化鉄のコロイド粒子が完全に凝集するまで加え, 次いで, これにキシレンを加えて激しくかくはんしてコロイド粒子をキシレン相に移したのち, 減圧下でキシレンを留出除去して水和酸化鉄粒子を取り出し, これを熱処理して抜群の分散性と透明性を有する粉末状の酸化鉄顔料を製造した。
    このものはアセトンやメタノールには分散しないが, キシレン, トルエン, ベンゼン, シクロヘキサン, 1-プロパノールなど多くの有機溶媒に透明な状態で容易に分散する。また, このものを使用して印刷インキを作り, これを塩化ビニルフィルム上に塗布したものも抜群の透明性と紫外線吸収能を有していた。この製造方法は透明性酸化鉄の工業的製造法として有用であると思われる。
  • 島崎 良一
    1982 年 55 巻 5 号 p. 305-318
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 高岡 京
    1982 年 55 巻 5 号 p. 319-327
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 熊野 勇夫
    1982 年 55 巻 5 号 p. 328-339
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 脂環アルコールの気相あるいはシリカゲル上での熱分解との比較
    宇津木 弘, 遠藤 敦, 鈴木 昇, 小松 忠一, 湯沢 元浩, 中川 博之
    1982 年 55 巻 5 号 p. 588-599
    発行日: 1982/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    シクロペンタノール, シクロヘキサノール, シクロヘプタノール, シクロヘキサンメタノールおよびシクロヘキサンエタノールで表面処理したシリカゲルの熱分解生成物をガスクロマトグラフー四重極質量分析計で分析同定することにより, これらの熱的性状および付着基の結合状態が, これらアルコールの気相あるいはシリカゲル上での熱分解との比較において検討された。アルコールの気相熱分解では500~600℃から熱分解が起こり, 脱水および脱水素反応の併発することが認められた。シリカゲル上での熱分解はこれより低温の300℃から起こる。300~600℃では水および相当するシクロオレフィンを生成する脱水反応が選択的に進行することが認められ, シリカゲルの触媒作用が認められた。これ以上の温度領域では脱水反応が併発し, 接触選択性は低下する。表面処理シリカゲルの熱分解生成物も水および相当するシクロオレフィンのみであるが, シクロオレフィンの発生する300~500℃では発生する水はわずかである。シリカゲル上でのアルコールの熱分解では水, ジクロオレフィンの生成量比は分解温度に対し一定であり, これらは同一反応機構-アルコールの脱水反応-で生成していると認められる。これに反し処理シリカゲルではこの比は拠物線となり一定値を示さない。このことは水およびシクロオレフィンはそれぞれ別な反応機構すなわち水は未反応シラノールの縮合脱水, シクロオレフィンは〓SiOA→〓SiO+A→〓SiOH+Ol (AOH, 脂環アルコール;Ol, 相当するシクロオレフィン) で生成していることを示唆する。これから処理シリカゲルの付着基はAOHとして化学吸着した吸着種ではなく, アルコキシ基として化学結合した種と認めることができた。
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