シリカの表面シラノールあるいは酸化チタンの表面水酸基を, 3ーフェニルー1ープロパノールでエステル化してこれらの金属酸化物表面にベンゼン核を有するアルコキシ基 (3-フェニルー1-プロポキシ基) を導入し, 次いで, このベンゼン核を利用して表面基をスダンIおよびタートラジン (食用黄色4号) に類似の構造に誘導して, シリカあるいは酸化チタンを核とする赤色および黄色の顔料を製造し, 顔料的見地から諸特性を調べた。
その結果, 本法で製造した顔料の色彩は, それぞれ対応する染料やその水溶液に近似した色彩を呈し, 真比重やインペイカは核として用いた金属酸化物にほぼ対応した値となった。このことから, 表面基を任意に既存の有機色素に類似の構造に誘導することにより, 容易に多数の色彩の顔料が製造できることを, また, 核となる酸化物を選択することにより, インペイカも容易に調整できることを確認した。さらに, 耐熱性や耐光性についても調べた。
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