色材協会誌

色材の表面・界面および改質層とその分析 (第IV報)

放射化分析法によるアルキド樹脂膜中のドライヤー濃度分布の検討

多留康矩, 高岡京

1986 年 59 巻 10 号 p. 583-586
発行日: 1986/10/20
公開日: 2012/11/20

DOIhttps://doi.org/10.4011/shikizai1937.59.583

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

空気乾燥型塗料として用いられるアルキド樹脂にMnドライヤーを添加し, この塗膜を表面から30μの単位で削り, この中に存在するMn量を放射化分析により測定し, 塗膜の深さ方向に対するMn濃度の分布を調べた。
Mnは塗膜の表面に集積し, 中間層では一定濃度となり, 被塗物 (ガラス) 付近では減少の傾向が認められた。
この傾向は溶剤の量によって異なり, 溶剤の多い塗膜では拡散が容易となり, 深さ方向に対するMnイオンの分布変化が顕著となる。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (405K)
ガスクロマトグラフィーを用いる船底防汚塗料より溶出したトリブチルスズ化合物の定量法

高橋一暢, 吉野登統, 大八木義彦

1986 年 59 巻 10 号 p. 587-591
発行日: 1986/10/20
公開日: 2012/11/20

DOIhttps://doi.org/10.4011/shikizai1937.59.587

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフィー (ECD-GC) を用いて, 防汚塗料より海水中へ溶出した低濃度 (ppbオーダー) のトリブチルスズ化合物の定量法について検討した。
海水1,000mlが入ったビーカーに防汚塗料を塗布した試験板を浸せきして, 塗膜表面より溶出したトリブチルスズ化合物を, 12M-塩酸1mlで塩化トリブチルスズ (TBTC : Bu₃SnCl) とし, ヘキサンで抽出して海水中のTBTCを定量した。本法におけるTBTCの検出限界は0.3ngであり, TBTC標準溶液 (1.2μg/ml hexane) でのピーク面積の相対標準偏差 (n=5) は3.3%でよい精度を示した。また, 海水中よりのTBTCの回収率はTBTC1.2μg/mlにおいて101%であった。
本法は, 防汚塗料より海水中へ溶出したTBTCの定量法として使用できることがわかった。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (505K)
ハイソリッド型塗料用アクリル・メラミン樹脂硬化塗膜の物性 (第III報)

樹脂官能基量と分子量の影響

中道敏彦, 柴藤岸夫

1986 年 59 巻 10 号 p. 592-599
発行日: 1986/10/20
公開日: 2012/11/20

DOIhttps://doi.org/10.4011/shikizai1937.59.592

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

計算上の T_g が一定で, 水酸基価 (OHV) と分子量が一連に異なるアクリルオリゴマーを, ヘキサメトキシメチル化メラミン (HMMM) とスルホン酸触媒を用い, アクリルオリゴマーのOH基 /HMMMのOCH₃基=1.0 (モル比) の混合比で硬化させた。これらのクリヤー塗膜の動的粘弾性と引張特性を測定した。
硬化塗膜のT_g, 架橋密度およびtanδをアクリルオリゴマーのOHVと, 分子量またはQ_Eの関数として解析した結果, これらの物性に対してきわめて高い相関係数の回帰式が得られた。ここでQ_Eは, アクリルオリゴマ-分子中の, 架橋網目に組み込まれない自由末端基分率である。ヤング率, 抗張力および破断伸びについても, 架橋密度とアクリルオリゴマ-の分子量あるいはQ_Eを用いて解析し, それぞれの物性に対してかなり高い相関係数の回帰式が得られた。
これらの結果から, 動的粘弾性と引張特性は架橋密度と分子量の効果を明瞭に反映し, アクリルオリゴマーのOHVと分子量あるいはQ_Eが既知であれば, これらの物性を予測できることがわかった。また, 分子量の代わりにQ_E値を用いることにより高い相関係数の回帰式を得た。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (801K)
UVインキの硬化挙動に関するレオロジー的研究 (第II報)

硬化速度と吸光係数との関係

大坪泰文, 甘利武司, 渡辺鋼市郎

1986 年 59 巻 10 号 p. 600-606
発行日: 1986/10/20
公開日: 2012/11/20

DOIhttps://doi.org/10.4011/shikizai1937.59.600

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

UVインキの硬化過程における動的粘性率の変化を, 振動板型レオメーターを用いて測定した。動的粘性率の対数を照射エネルギーに対してプロットすると, 二本の直線で近似されるので, 交点の照射エネルギーを最低露光量と定義して硬化速度の目安とした。365nmの単色光照射下においては, 最低露光量はインキ膜厚とともに指数関数的に増大する。これは, 光の強度がインキ膜内部において指数関数的に減少することに起因する。したがって, レオロジー的に吸光係数を求めることができる。ビヒクルの分光感度と単色光照射下における粘度データから, UVランプからの光を直接照射したときの硬化速度を推算したところ, 実測結果とよく一致することがわかった。

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (712K)
染料の昇華性について

西田健三

1986 年 59 巻 10 号 p. 607-617
発行日: 1986/10/20
公開日: 2012/11/20

DOIhttps://doi.org/10.4011/shikizai1937.59.607

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (1115K)
熱を制御ずる機能性塗料

西崎俊一郎, 島本幸三

1986 年 59 巻 10 号 p. 618-628
発行日: 1986/10/20
公開日: 2012/11/20

DOIhttps://doi.org/10.4011/shikizai1937.59.618

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (1301K)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）