計算上の
Tg が一定で, 水酸基価 (OHV) と分子量が一連に異なるアクリルオリゴマーを, ヘキサメトキシメチル化メラミン (HMMM) とスルホン酸触媒を用い, アクリルオリゴマーのOH基 /HMMMのOCH
3基=1.0 (モル比) の混合比で硬化させた。これらのクリヤー塗膜の動的粘弾性と引張特性を測定した。
硬化塗膜の
Tg, 架橋密度およびtanδをアクリルオリゴマーのOHVと, 分子量または
QEの関数として解析した結果, これらの物性に対してきわめて高い相関係数の回帰式が得られた。ここで
QEは, アクリルオリゴマ-分子中の, 架橋網目に組み込まれない自由末端基分率である。ヤング率, 抗張力および破断伸びについても, 架橋密度とアクリルオリゴマ-の分子量あるいは
QEを用いて解析し, それぞれの物性に対してかなり高い相関係数の回帰式が得られた。
これらの結果から, 動的粘弾性と引張特性は架橋密度と分子量の効果を明瞭に反映し, アクリルオリゴマーのOHVと分子量あるいは
QEが既知であれば, これらの物性を予測できることがわかった。また, 分子量の代わりに
QE値を用いることにより高い相関係数の回帰式を得た。
抄録全体を表示