一定条件で調製された水酸化アルミニウムゲルを担体として, 染料含有率の4段階に異なる食用黄色4号アルミニウムレーキを調製し, NaCll水溶液中における染料溶出特性を調べた。担体の染料結合容量の限界は, 染料イオン含有率35%付近に認められ, 調製された4種の試料は, それぞれ未飽和, 未飽和から飽和の過渡域, 飽和および過飽和に相当した。溶出染料イオ濃度[
D]
sを顔料/溶液比
Wpおよび時間の関数として測定することにより, 次のような特徴を有する溶出曲線が得られた。
1. [
D]
sの時間依存性は, 未飽和の場合, 時間の経過と共に減少する傾向を示すのに対し, 過渡域では初期の増加から減少に転ずる最大値が明瞭に現われ, 飽和から過飽和となるにつれて, 一様に増加する傾向を強めた。
2. [
D]
sの
Wpに対する依存性は, 未飽和の場合にのみ, Wpが大になるほど小になるという逆転が見られた。
未飽和段階の試料に見られた現象は, イオン交換樹脂の粒内拡散律速による平衡達成過程に類似しており,アルミニウムレーキの耐溶出性改善のために, 一つの手がかりが与えられた。
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