色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
60 巻, 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • α-酸化水酸化鉄の水熱処理による生成
    信岡 聰一郎, 阿度 和明
    1987 年 60 巻 5 号 p. 265-273
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    α-Fe2O3は, 一般的な合成法によると微粉体として生成する。アルカリ水溶液を母液としてα-FeOOHを分散させ水熱処理を行うと, 160~280℃においてα-Fe2O3の六角薄板状単結晶の生成することを見出した。このα-Fe2O3結晶の生成領域および粒子径に影響をおよぼす諸要因について検討を行った。
    (1) α-FeOOHは水熱処理160~280℃において転移しα-Fe2O3結晶となるが, この転移点は母液のアルカリ水溶液濃度によって支配され, 濃度が高くなるほど転移点は低くなる。
    (2) 生成するα-Fe2O3の結晶径は, 原料α-FeOOHの粒子径が大きくなるほど, また水熱処理母液のアルカリ水溶液濃度が高くなるほど大きく成長する。
    (3) 原料α-FeOOHが加圧, 高密度錠剤として水熱処理を行うと, あたかも粒子径の大きいα-FeOOHのように作用し, 大きいα-Fe2O3結晶が生成する。
    (4) α-FeOOHの水熱処理によるα-Fe2O3結晶の生成反応は, アルカリ熱水溶液が溶媒として作用する溶解, 析出に基づくものと推論された。
  • 鈴木 昇, 遠藤 敦, 宇津 木弘
    1987 年 60 巻 5 号 p. 274-280
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    セタノールによる炭化タングステンおよびオクタノール, セタノールによる酸化タングステンの表面処理およびその表面性状がX線光電子スペクトル, X線回折, 走査型電子顕微鏡, 分散嗜好性および熱分解から検討された。これらの結果から次の事柄が認められた。 (1) 未処理炭化タングステンのX線光電子スペクトルから表面は含酸素官能基からなり, これらは酸化タングステン, 析出炭素の表面水酸基から成ると推定された。 (2) 炭化タングステンはセタノールによる表面処理で表面性状は親水性から疎水性に変化し, 有効に表面処理されることが認められるが, 酸化タングステンはオクタノール, セタノールで表面処理されない。 (3) X線回折像, 走査型電子顕微鏡像から, 表面処理は基体の構造あるいは粒子径, 粒子の集合状態には変化を与えないことが認められた。 (4) 未処理炭化タングステンの熱分解の挙動は炭素のそれに類似している。 (5) セタノールで表面処理した炭化タングステンの熱分解では300~400℃で付着基の熱分解生成物が認められ, これはヘキサデセンを主成分とし, これらの二次的熱分解生成物から成ると認められるから付着基は-OC16H33からなると考えられる。 (6) オクタノール, セタノールで表面処理した酸化タングステンの熱分解では付着基の存在は認められず, その挙動は炭素のそれに類似している。酸化タングステンはアルコールとの反応で表面がWO2に還元していることが示唆される。 (7) これらのことから炭化タングステン表面でアルコールとの反応に有効な表面官能基は, WC(OH) であることが示唆される。
  • 大久保 政芳
    1987 年 60 巻 5 号 p. 281-289
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 沈降安定性
    佐藤 達雄
    1987 年 60 巻 5 号 p. 290-299
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
feedback
Top