ケイ酸ナトリウム水溶液と有機溶媒とからなるW/O型エマルションと硫酸アンモニウム水溶液とから, 界面反応法を用いてシリカ多孔質・球形微粒子を調製し, その粒子の大きさ, 細孔の大きさおよび細孔量の制御を行うための条件を検討した。
粒子径および細孔分布の制御条件を明らかにするために, ケイ酸ナトリウム水溶液濃度は4mol/
l, 乳化剤はTween-80とSpan-60とを2対1に混合し, その濃度は21g/
l, 硫酸アンモニウム濃度は1.5mol/
lとして固定し, ケイ酸ナトリウムのSiO
2/Na
2O比およびエマルションのW/O比のみを変化させてシリカ粒子を調製し, その粒度分布, 低温窒素吸着による比表面積, 細孔分布および粒子形状などの粉体特性を求めた。
その結果, 平均粒子径はエマルションのW/O比に依存して, 2.3~3.2μmの範囲で変化し, また比表面積および細孔量はSiO
2/Na
2O比の増加とともに減少することが明らかになった。したがって界面反応によって調製されたシリカ粒子に存在する細孔は生成時にNa
2Oの離脱によって生じた空隙であると考えられる。
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