PCM塗料のロールコーター塗装でのピックァップ作業性と塗液の動的粘弾性特性の関連性について検討した。
検討試料は, 高加工用ポリエステル, 市販PCM用ポリエステル, 一般用アルキド樹脂を用い, チタン白を分散した塗料である。各塗料を一定の粘度 (従来通りの塗装粘度) に希釈し, リバースロールコーターでピックアップ作業性を評価した。一方, この試料について, 動的粘弾性特性 (動的弾性率
G′, 損失弾性率
G′′) を周波数に対して測定し, ピックアップ作業性との対応関係を観察した。その結果, ピックアップ作業適性を支配する塗料の粘弾性特性は, 動的弾性率
G′であり, 特に低周波数領域 (200sec
-1以下) の動的弾性率
G′が重要であることが判明した。つまり, その動的弾性率
G′が増大すると, ピックアップ作業適性は向上することが明らかとなった。
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