各種の官能基を導入した銅フタロシアニン誘導体で表面処理した銅フタロシアニン顔料について, (1) 水系でのζ。電位, (2) メチルイソブチルヶトン中での酸塩基量, (3)
n-ヘプタン中での有機酸塩基吸着熱を測定するとともに, これらの諸特性とアクリル樹脂中での分散性との関係について検討した。分散性の尺度としては, 分散体のTI値 (6rpmでの粘度/60rpmでの粘度) を選んだ。
等電点, 酸塩基量, 酸塩基吸着熱の変化の傾向は, 大略, 誘導体の官能基の構造から予想される傾向と一致した。
顔料の等電点を酸塩基の分類指標とした場合, 分散結果は, 「酸性 (塩基性) 顔料は塩基性 (酸性) 樹脂中で分散がよい」という, P.Sörensenの酸塩基概念にあてはまることが示唆された。また, 顔料に対する酢酸およびトリエチルアミンの吸着熱が, それぞれ酸性樹脂中, 塩基性樹脂中での分散性と相関性のあることがわかった。顔料の塩基量と酸性樹脂中での分散性との間にも相関性が認められた。
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