カーボンブラック (CB) -アマニ油分散系は典型的な濃厚サスペンションで, 構造粘性, 擬塑性流動などの性質を示す!これは粒子の形成する凝集構造の形成, 破壊とその過程によるものである!CB分散系では, 粒子の形成する凝集構造は粒子の濃度, サイズ, 表面状態, 粒子間相互作用などに大きく依存する!本研究では, 粒子径の異なったCBを用い, 分散系のレオロジー的性質に対する粒子径および粒子濃度の影響を検討した!粒子濃度が高く, 粒子径が小さくなるほど, 粒子の比表面積が大きくなるため, 粒子同士の接触頻度は増し, より強固で, より密な凝集網目構造を形成する!これにより, 粒子濃度の増加と共に分散系は顕著なシアーシンニング, チキソトロピー的挙動を示す!せん断により破壊された凝集構造の回復には高濃度および粒子径の小さい系の方がより長い時間を必要とする!またCB粒子の表面は非常に活性であり, 一次粒子の状態で存在するよりも数個の凝集体あるいは凝集塊 (ストラクチャー) の状態で存在することが知られており, これが事実上の流動単位であることが確認された!
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