96℃, NiCO
3・2Ni (OH)
2-H
3PO
4-H
2O系の液相法によっていくつかのリン酸水素ニッケル水和物を合成し, それらの加熱変化を明らかにした。
NiCO
3・2Ni (OH)
2 (BNC) の量と配合比R (H
3PO
4/NiO;モル比) によって生成したリン酸ニッケルの組成は異なった。BNC : 37.6g, R=3~4の条件では, 反応直後に非晶質リン酸ニッケル (NiHPO
4・nH
2O, n=約3) が生成し, その懸濁液をそのままかきまぜるとNi
3 (PO
4)
2・8H
2Oに組成変化した。R=5~6の条件では, 非晶質リン酸ニッケルからNiHPO
4・3/2H
20に組成変化した。さらにBNC : 75.29, R=5~7の条件では, 非晶質リン酸ニッケルからNiHPO
4・3H
2Oに組成変化した。生成したリン酸ニッケル水和物の加熱変化を以下に示した。
NiHPO
4・3/2H
2O300℃→非晶質相685℃→β-Ni
2P
2O
7.565℃→α-Mi
2P
2O
7NiHPO
4・3H
2O60℃→NiHPO
4・3/2H
2O294℃→非晶質相724℃→Ni
2P
2O7565℃→α-Ni
2P
2O
7Ni
3 (PO
4)
2・8H
2O224℃→非晶質相797℃→Ni
3 (PO
4)
2加熱脱水して得たNi
2P
2O
7の色相は明るい黄色 (λα;576.5mm, Y;77.2%, Pe;29.0%) であり, カドミウム系の無機顔料として十分利用できる色彩値であった。
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