色材協会誌
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68 巻, 12 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 大藪 泰, 寺田 幹雄, 阿蘇 雄, 小田 圭昭
    1995 年 68 巻 12 号 p. 729-734
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    漆をモデルとした酵素反応形塗料の開発において, ラッカーゼとウルシオール類似物をエマルション化するたあの第3成分として, 4種の化工でんぷんを選んだ。
    これらの化工でんぷんを使い, ヒイロタケの培養液より生産したラッカーゼと4- {9' (Z), 12' (Z) -オクタデカジエニル} カテコールをエマルション化して, 20℃80%RHにて24時間乾燥させた。これらの膜に対して乾燥時間, 動的粘弾性, 光沢, 透過色を測定した。
    主な結果は次のようである。
    1) 化工でんぷんによるエマルション化は充分であった。
    2) 化工でんぷんのリン酸基やカルバモイル基は初期の硬化に影響し, これらの基が増加するにともない乾燥時間が短くなった。
    3) これらの膜は一般的な漆膜と同じような理想的な粘弾性を示し, 漆膜に比べ高光沢でやや黄色みを帯びていた。
    以上の結果から, 天然漆の成分を含まない酵素反応形塗料を開発することができた。
  • 小林 秀樹
    1995 年 68 巻 12 号 p. 735-740
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    低表面張力を示す3, 3, 4, 4, 5, 5, 6, 6, 6-ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン (FTAS) および対応するフルオロシリコーンレジン (FSOR) を少量有機樹脂へ添加し, 樹脂の表面改質を検討した。有機樹脂としてはアクリルポリオール (PAR) とメチルシリコーン樹脂 (PSO) を用いた。溶液をガラス板へ塗布し乾燥後, 水とヨウ化メチレンの接触角を測定し, Owens-Wendt式から固体表面張力を算出した。FSORの場合は, PARとPSO樹脂の相方に対して数%の添加により, 顕著な有機樹脂の固体表面張力の低下が認められたが, FTASの場合は添加効果はわずかであった。得られたFSOR添加系の固体表面張力は, PARの場合が24mN/mとなり, PSOの場合が15mN/mとなった。
  • 浜津 高夫, 福留 和広, 広瀬 淳一, 伊東 美奈子
    1995 年 68 巻 12 号 p. 741-751
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    新規セルロース誘導体CNC (Cellulose Nitrate Carboxymethyl Ether) は, セルロース骨格の水酸基を特定量のカルボキシメチルエーテル基と硝酸エステル基で置換した構造を有する高分子電解質である。CNCの構造と特性にっいて検討した結果, 以下のことがわかった。CNCは構造中に親水基と疎水基成分をバランス良く含有するため, 水と少量の有機溶剤からなる混合溶剤に可能で, 多くの水系樹脂との相溶性が良好である。CNCは広範囲の温度領域で高い弾性率を保持し, ガラス転移温度も高い。このため, 速乾性と耐熱ブロッキング性を発現させることができる。CNCは-種の界面活性剤であり, その高い界面活性能により顔料分散効果が発現される。また, 他の水系樹脂にCNCを添加することにより顔料分散性を向上させることができる。
  • 山崎 直子, 徐 明霞, 國嶋 和香子, 城之園 恵子, 永島 聡子, 加藤 昭夫
    1995 年 68 巻 12 号 p. 752-757
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    尿素を用いる均一沈殿法により雲母の二酸化チタンコーティングを行い, 反応条件の影響を調べた。雲母表面に均一なTiO2膜を得るには, 初期に析出する粒子密度が大きい方がよく, その粒子の成長速度は小さい方がよい。また, 反応溶液相で生成した粒子は雲母表面に付着し膜を不均一化させるので, 溶液相でのTiO2・nH2O粒子の生成を防ぐ必要がある。本実験では尿素濃度は0.1~0.2mol・dmm-3程度, 硫酸濃度は約0.3mol・dm-3, 原料の硫酸チタニル濃度は0.005~0.01mol・dm-3, 温度は60~80℃が適当であった。
    以上の結果より, 均一なコーティングを得るためには反応温度を変えて粒子の析出速度と成長速度を制御することが必要である。この場合, 第一段階での粒子の析出密度が高い方が均一で緻密な膜が得られた。このようにして得られたTiO2被覆雲母は800℃の焼成前後で形態に大きな変化はなかった。
  • 関根 功, 加藤 雅裕, 湯浅 真
    1995 年 68 巻 12 号 p. 758-762
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    Ph1~13の水溶液中において2-ビニルピリジンとアクロレインに基づく二層の電解重合膜を被覆した軟鋼材の耐食性について検討した。この二層電解重合膜を被覆した鋼材は, これらの単層電解重合膜を被覆した鋼材に比べて耐食性が向上し, 単層電解重合膜被覆鋼材での問題点を改善した。
  • 丹羽 幹
    1995 年 68 巻 12 号 p. 763-770
    発行日: 1995/12/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
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