ビス (アセチルアセトナト) ニッケル (II) を溶解した有機溶媒中にガラスフレークと (NH
2)
2・H
2Oとを加えて加熱還流する方法で, ガラスフレーク上にニッケルをコーティングし, 優れた光輝性を有するガラスフレーク顔料の作製を試みた。
その結果, 有機溶媒としてアニソールを用いた系では, ガラスフレークにエッチング, センシタイジング, アクチベーションなどの前処理を行ってコーティングしても十分な光輝性は得られなかった。これに対して, 双極性非プロトン溶媒であるジメチルスルポキシド (DMSO) を用いた系では, ガラスフレークに前処理を行わなくても抜群の光輝性を有するガラスフレークが得られた。この違いは, (NH
2)
2・H
2Oの有機溶媒中への溶解性やガラスの分散状態などに起因すると考えた。
この光輝性ニッケルコーティングガラスフレークは, 微細な金属ニッケル粒子が均一な膜状となってガラスフレーク表面を覆ったものであることがわかった。
また, 溶媒として水, エタノールおよびN, N-ジメチルホルムアミドを用いた系では, 光輝性は認められなかった。
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