ゾル-ゲル法により作製されるスピロベンゾピランおよびマラカイトグリーンロイコシアニドを含むゲル薄膜をUV光照射で発色させ, その暗所での消色反応に及ぼすゲルマトリックスの効果について調べた。ゲルマトリックスの効果として, 用いるアルコキシシランの種類およびゲルの反応時間による影響について調べた。
スピロベンゾピランを用いた系では, テトラアルコキシシランから作製したゲル薄膜中で, ゾルの反応時間が長くなるにつれて, 発色種が2種類以上存在することが差スペクトルから判った。また, メチルトリエトキシシランを用いると比較的単純な消色反応を示すことが明らかとなった。
一方, マラカイトグリーンロイコシアニドを用いた系では, その消色反応は, マトリックスによる差はあまり認められず, いずれも初期吸光度の20~30%減少した吸光度で停止し, 緑色に着色したゲル薄膜が得られることを見い出した。
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