食用青色1号染料アニオンとAlポリカチオンとからアルミニウムレーキ組成のカチオン性ゾルを得るために, Alポリカチオン源として塩基度 (OH/Al比) が2.5の塩化水酸化アルミニウム (ACH) 溶液を用いた。この方法ではカチオン性ゾルとともに多量の不溶化物が生成する難点があるが, 不溶化物を濾別・除去してカチオン性ゾルを得た。このゾルをスメクタイト層間に導入することによって, 染料結合量においてアルミニウムレーキに匹敵し, 耐溶出性においてこれを10-30倍凌駕する層間複合体が得られた。ゾル調製時の不溶化物の生成を抑止するためには, Alイオン/染料添加モル比を100程度に大きくすること, またはAlイオン濃度を0.03M以下に希薄化すること, またはACHにAl比で0.3~0.6のAICI
3を添加することが有効であった。これらの方法では耐溶出性がアルミニウムレーキより1.5-2倍優れる層間複合体が得られた。
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