4, 4'-ジアミノー1, 1'-ゼアントラキノン顔料 (PR-177) を用いて顔料分散体を調製後, それを用いたLCDカラーフィルター用顔料分散型カラーレジストインキを試作, 顔料分散体の粘度, チクソトロピーインデックス (TI値)および平均粒径を測定, インキ塗膜の色特性に及ぼすPR-177の微粒化およびスルホン酸誘導体との共分散の効果をおのおのしらべた。
その結果, 比表面積113.5m
2/gの微粒化PR-177を適用したレジストインキは, 比表面積90.7m
2/gの標準PR-177を用いたものにくらべ高明度化および高コントラスト化がはかられて色特性は向上するものの, 顔料分散体の粘度およびTI値は増大して流動性, 分散安定性は低下することがわかった。
顔料分散体の粘度, TI値はPR-177のスルホン酸誘導体を共分散することで低減され, 標準PR-177への共分散体は十分な粘度低減性を認めたが, 微粒化PR-177の粘度低減は未だ不十分であった。
さらに, インキ塗膜の表面状態を目視観察した結果, 標準PR-177適用系, 微粒化PR-177適用系ともスルホン酸誘導体の共分散率が5%を超えると塗膜表面にヘーズが認められるようになり課題として残った。
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