色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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76 巻, 10 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 岩澤 昭, 青木 隆一, 佐々木 博治, 高橋 俊哉, 尾本 博明
    2003 年 76 巻 10 号 p. 373-379
    発行日: 2003/10/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    メチルトリメトキシシラン (MeSi (OMe) 3) の加水分解縮合によりシロキサンオリゴマー (P-MTS) を合成した。モノ (Mono) およびビス (Bis) タイプ錫カルボキシレート存在下におけるP-MTSの可使時間および塗膜の半硬化時間をしらべる目的で、加水分解重縮合に及ぼす錫触媒の影響を検討した。P-MTS溶液の粘度および塗膜の半硬化時間の時間経過にともなう変化をIRNMRスペクトルで追跡した結果、P-MTSの重縮合はモノタイプよりビスタイプで顕著に速く、触媒の加水分解で生じる活性種の濃度によることがわかった。一方、塗膜の半硬化時間は触媒のカルボキシレートのアルキル基がメチルよりラウリル基で活性がいちじるしく高いことが観察された。これは、活性種がアルキル基の立体因子にともなう加水分解性の差により錫オキシドとなり失活するためと推測された。以上の結果より、触媒の錫カルボキシレートの構造がP-MTSの重縮合とその塗膜の硬化に顕著な影響を及ぼすことが明らかにされた。
  • 柴田 雅史, 今井 健雄, 伊藤 康志, 中村 元一, 中村 浩一, 細川 均
    2003 年 76 巻 10 号 p. 380-384
    発行日: 2003/10/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    口紅などの基剤であるオイルワックスゲルの硬度制御を目的に, 分岐パラフィンワックスと直鎖パラフィンワックスを混合した場合のゲル状態について検討をおこなった。
    直鎖ワックス (nC32) に対して分岐パラフィンワックス (tBu-PE) を5-20wt%添加すると, 顕著にオイルワックスゲルの硬度が上昇した。この混合比率の領域ではnC32とtBu-PEは均一な結晶相を形成しており, また結晶の形状は平滑な板状結晶であるnC32やtBu-PEとは異なり反った板状であった。
    nC32とtBu-PEの混合ゲルは同程度の硬度のnC32のみのゲルにくらべて, 荷重に対する内部構造の変化が小さい, つまり破損がおこりにくい性質を示した。
  • 島津 美子, 川野邊 渉
    2003 年 76 巻 10 号 p. 385-390
    発行日: 2003/10/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    漆塗膜は紫外線に対して脆弱であることが広く知られているが2), 漆塗りが外装にほどこされた歴史的建造物においては, 紫外線のみでなく, 風雨などその他の劣化要因も存在する。本稿では実際に外装に用いられる漆から黒漆を選択し, 劣化要因となりうる紫外線照射や水漬, さらに, それらのサイクルによる劣化促進実験を行った。とくに, 水漬後は風乾あるいは水滴除去をほどこし, 塗膜表面に残存した水滴の有無によっても表面状態に差異が生じるかどうかを検討した。劣化促進実験後は, 光沢度の変動に加え, 走査型電子顕微鏡による表面観察から劣化状態の評価を行った。その結果, 紫外線照射後の水漬により塗膜成分の一部が流失し, 塗膜表面に微小な空隙孔を多数形成していた。また, 紫外線照射および水漬の後, 風乾させた塗膜では, 光沢度の減少がいちじるしく, もっとも表面状態が乱雑化していた。このことから, 紫外線照射後の水漬による劣化表面の除去, あるいは水分蒸発が漆塗膜表面におよぼす影響が甚大であることが確認できた。同時に, 水漬直後に塗膜表面の水分を速やかに除去することによって, 漆塗膜の表面光沢をある程度維持できることも明らかになった。
  • 佐々木 高義
    2003 年 76 巻 10 号 p. 391-396
    発行日: 2003/10/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
  • 工藤 芳明, 中川 力
    2003 年 76 巻 10 号 p. 397-402
    発行日: 2003/10/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
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