近年, 緑色無機着色材料の分野において, 安全で環境影響が少なく, 優れた着色力と耐候性を併せもつ材料が求められている。本研究では, 安全なゲータイト粒子等の酸化鉄系黄色材料をコア粒子として, その緑色化および諸特性を改善するために, 結合剤を使用したフタロシアニンブルーによる表面被覆を検討した。得られたフタロシアニン被覆ゲータイト粒子の電子顕微鏡観察により, フタロシアニンブルーはゲータイト粒子表面に存在していることが確認できた。フタロシアニンコーティングによって得られた被覆ゲータイト粒子においては, 緑色化のみならず, 着色力, 耐光性および耐酸性が改善されていた。
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