ソープフリー重合を利用し, 無機微粒子の表面をポリマーで被覆, カプセル化することを試みた。ここで検討された無機微粒子はTiO
2およびFe
2O
3であり, またモノマーにメタクリル酸メチルとスチレンを使用した。
実験では, 無機微粒子の凝集防止とカプセル化の向上を目的に重合反応前および重合途中に非イオン性界面活性剤 (Emulgen106) とイオン性界面活性剤 (ドデシル硫酸ナトリウム) を添加し, カプセル化におよぼす影響を検討した。カプセル化プロセスにおけるカプセル化状態は, 無機微粒子のゼータ電位と粒径を連続的に測定することにより評価した。
無機微粒子とモノマーとの組合わせにより分散安定性やカプセル化がいちじるしく異なることが明らかになった。また, アニオン性界面活性剤の段階的添加により, とくにメタクリル酸メチルによるTiO
2およびFe
2O
3のカプセル化の場合, 分散安定性とカプセル化が向上することが明らかになった。さらに本手法を用いた一部の条件において, 無機微粒子が一次粒子の状態で良好にカプセル化が行われることがわかった。
抄録全体を表示