0.3M (COOH)
2水溶液中でアノード酸化を行って作製した多孔質アノード酸化皮膜に対し, Ag
2SO
4水溶液あるいはHAuBr
4水溶液中で交流電解を行うと, 多孔質皮膜の孔底にAgおよびAuナノロッドを電析させることがそきた。これらのナノロッドは, アノード酸化皮膜をテンプレートとしているため, 短軸径は細孔径と同じ約10nmで, 長軸は電解時間により10-70nmの範囲で制御が可能であった。これらの貴金属ナノロッドが電析した皮膜は, 光の入射角により色彩が変化するフリップフロップ現象を不した。このフリップフロップ現象は, ナノロッドが電析することによって光の干渉によるスペクトルの振幅が顕著に増大することと, ナノロッドの短軸と長軸によるプラズモン吸収が変化することによって発現した。得られた皮膜の色彩は, ナノロッドのアスペクト比を変化させることによって制御でき, 光の入射角によって, Agナノロッドが電析した皮膜では黄~緑の, Auナノロッドが電析した皮膜は赤-青緑の色彩を有する皮膜となった。
抄録全体を表示