空隙率が高く, 低比重性で断熱性に優れた中空型の微粒子ポリマーとして, 重合性ベシクルの形成と高分子化による微粒子の固定化に着目した。実験では, 重合性基を有するカチオン界面活性剤としてビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド, アニオン界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム, そして架橋剤としてジビニルベンゼンを用いて水溶液中で安定な重合性ベシクルを調製した。この重合性ベシクル水溶液に水溶性アゾ重合開始剤を添加して重合反応を進めた。反応前後のべシクルを
13C-NMR法および紫外可視吸収スペクトル法で解析した結果, ベシクルの重合を確認した。また, この溶液を凍結乾燥して得た固体の固定化ベシクルのSEM観察を行った。さらに, 断熱性素材としての応用例として, 得られた中空の微粒子ポリマーをバインダーと組み合わせて紙支持体上に固定し, 感熱記録方式プリンターの記録材料としての性能を評価した。
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