近年,青色半導体レーザー(発振波長は405 nm)が実用化され,これは従来の半導体レーザーのなかで最短波長であり,記録密度を大きくすることができるので,ダイレクト(CTP)製版システム,PS版,次世代ディスク等へ応用が期待され実用化されているものもある。それにともない405 nmに対する感光能力を有する増感材料がさらに求められている。本研究では,360 nm付近に吸収帯をもち,高い増感能をもつと予想される
p-テルフェニル誘導体およびベンゾフェノン誘導体の合成を検討し,さらに合成した色素を用いて感光性樹脂サンプルを作製し,その分光感度を測定して青色半導体レーザー用の増感能を検討した。
p-テルフェニル誘導体においては210~390 nmに光吸収を示したが400 nm付近における光吸収がないため,この波長での増感能を示さなかった。一方ベンゾフェノン誘導体においては,すべての誘導体で260~440 nmに吸収を示し,この波長における増感能も示し,青色半導体レーザー用の増感能を示した。とくにベンゾフェノン誘導体のジメチルアミノ基もしくはオキシムエステル基を有する化合物において非常に良好な感度を示し,青色半導体レーザー用増感色素として優れていることが示された。
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