色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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84 巻, 11 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究論文
  • 児玉 恵利, 小野寺 求実, 播磨 秀亮, 内田 佳邦, 松井 和則
    2011 年 84 巻 11 号 p. 369-372
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    アニリンと銅(II)塩をドープしたゾル-ゲルシリカ中において,銅(II)を触媒とするアニリンの重合反応により,ポリアニリン-シリカ複合ゲルの作製を行った。生成したゲルは濃緑色に着色し,その吸収スペクトルは~422 nmと~750 nmのピークを示した。これらのピークから,ゾル-ゲルシリカ中においてエメラルディン塩型ポリアニリンが生成することがわかった。ポリアニリンの生成量は,塩化銅(II)が最も高く,硫酸銅(II)と硝酸銅(II)はその半分程度であった。また反応には酸素が不可欠で,銅(II)塩が触媒,酸素分子が酸化剤として作用していることも確認できた。
解説
  • 古田 勤, 中島 章
    2011 年 84 巻 11 号 p. 373-379
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    固体表面の撥水処理は,水を固体表面から容易に除去できるため,さまざまな工学分野で利用されている。しかしながら撥水性固体表面に高度な水滴除去性能を付与するためには,固体表面の構造や組成,ならびに,それらの配列が,液体の静的・動的濡れ性とどのように関係するのかを明らかにする必要があり,単に表面エネルギーを下げるだけでは,必ずしもこのような撥水性能は得られない。これまでさまざまな撥水性表面が開発され,水滴の静的撥水性が研究されてきており,近年では,高速度カメラの普及により,水滴の動的な挙動についての研究も増加している。これらの研究を通じて,撥水表面上での水滴の転落や蒸発などの挙動は,固体表面のナノレベルでの構造や組成に影響を受けることが明らかになりつつある。本稿では,材料科学の立場から,静的・動的撥水性と固体表面の特徴との関係について,最近の筆者らの研究を中心に解説する。
最新塗料講座(第13講)
  • 日下田 成
    2011 年 84 巻 11 号 p. 380-385
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    塗料は,要求されるさまざまな特性を実現するために多数の成分から構成され,組成分析の難易度が高いものの一つである。また,塗料・塗膜の劣化という問題も永遠の課題であり,劣化機構や現象をきちんと把握し解析することは,寿命予測などを行う意味でも非常に重要である。塗料・塗膜の分析については,組成分析,物性分析,環境関連分析から,不純物分析,劣化解析に至るまで,多数の項目がある。本稿では,塗料・塗膜についていくつかの分析事例について解説する。
最新化粧品・ヘルスケア講座(第4講)
  • 福井 寛
    2011 年 84 巻 11 号 p. 386-392
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    さまざまな産業分野で従来にない機能を有する新製品が望まれている。表面処理は独自性のある製品を作るための重要な技術の一つである。粉体の表面処理の場合,粉体のバルクの性質のみならず,粒子と表面の性質を把握することが重要である。本稿ではまず粉体の粒子の性質と表面の性質を述べ,その後に粉体の表面処理について説明する。さらに,テトラメチルシクロテトラシロキサンを用いた化学気相蒸着によるポリメチルシロキサン(PMS)の粉体上へのナノコーティングと,そのPMSに存在するSi-H基への不飽和化合物の付加反応,いわゆる「機能性ナノコーティング」について解説する。
最新印刷講座(第2講)
  • 尾﨑 健司
    2011 年 84 巻 11 号 p. 393-397
    発行日: 2011/11/20
    公開日: 2012/02/20
    ジャーナル フリー
    これまで出版・商業印刷物の大半はオフセット印刷機で印刷されてきた。そのオフセット印刷機は1990年代前半に話題を集めた高速印刷機に代わり,最近は切替時間,リードタイム短縮など印刷の効率化を特徴とした印刷機が主流となっている。これは不況による広告費削減,電子出版事業の拡大により,小ロット化,短納期化など市場環境が急速に変化していることが,一つの要因となっている。これにより印刷機ユーザのニーズは生産数量増による売上げ増から,ロス削減による製造原価低減へとシフトしている。本件ではそのオフセット印刷機の基本原理から最近の印刷機動向について述べる。
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