強制薄膜式リアクター(FTFR)を用いて,銅フタロシアニン(Cu-Pc)と臭素化塩素化亜鉛フタロシアニン(Zn-Pc)の固溶体ナノ粒子を作製した。実験は,発煙硫酸に溶解させたCu-PcとZn-Pcの混合溶液を水に希釈することで,粒子を析出させる方法を用いた。作製したフタロシアニンナノ粒子は,XRD,IR,ICPおよびSTEM-EDSにて評価した。その結果,CuとZnが均一に分布した10~30 nmの固溶体ナノ粒子であることがわかった。UV-Visを用いて可視光領域における透過スペクトル特性を評価した。その結果,CuとZnのモル比を制御することによって,透過スペクトル特性を制御できることがわかった。TG・DTAを用いて熱的特性を確認した。その結果,固溶体化することで分解温度が上昇することがわかった。これらの結果からFTFRを用いることによって新たな特性のフタロシアニンナノ粒子を作製できることを見いだした。
Fig. 7 STEM-EDS analysis of nano pigment particle manufactured by FTFR under No.2 condition [(a) STEM image *red square displays mapping area (b) HRTEM image (c) Br mapping image (d) Cu mapping image (e) Zn mapping image (f) EDS chart].
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