色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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85 巻, 7 号
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技術論文
  • 高橋 茂樹
    2012 年 85 巻 7 号 p. 271-278
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2012/10/20
    ジャーナル フリー
    インクジェットプリンター用インクは耐久性,記録物の画質などを向上させるために,色素として染料から顔料を用いるようになった。顔料として使用されるのは,ほとんどが有機顔料である。この顔料を分散させるためには,安定性をはじめとして種々の特性を満たす必要がある。そこで,ポリマーで顔料を分散させ,インクジェット用顔料分散体としての基本特性を検討した。その結果,分散体の初期粘度は,ポリマーの絡み合いにかかわる分子量と水和層の広がりにかかわる酸価と良好な相関関係を示した。高分子分散顔料を紙へ印字した後の画像濃度は,粒子径やポリマーの分子量には影響されず,親・疎水性を示す指標である酸価と良好な関係を示した。また,高分子分散顔料の酸価と紙との相互作用をあらわす広がり面積が画像濃度の指標となることが判明した。耐擦性は分散粒径とポリマーの分子量が関係することがわかった。
ノート
解説
  • 沓沢 好一, 赤池 敏宏, 大塚 英典
    2012 年 85 巻 7 号 p. 283-288
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2012/10/20
    ジャーナル フリー
    ナノテクノロジーは,ナノサイズの物質を用いた技術のことである。物質をナノサイズまで小さくすると通常とは異なる現象がみられることがわかっている。たとえば,外部からの光や熱などの刺激に対し,さらに化学反応に対し,迅速に反応するようになる。これは物質をナノサイズまで下げたことによる影響であり,この特性がさまざまな点で利点になっている。これらのナノサイズの物質は現在医療から化粧品や日用品などのさまざまな産業で,利用されていることからも今後も学術的研究から工業的な産業としてまで利用されることは明らかである。今回,著者らはナノサイズの物質の中でとくに無機材料を取り上げる。無機材料は金属,シリカやセラミックス(アパタイト)などがあるが,その中でも医療分野で用いているものに注目した。医療では,生体にかかわる脂質・タンパク質・核酸・多糖類などの小さな物質から細胞や組織までの大きな物質までさまざまなサイズの生体関連物質を対象としている。無機ナノ粒子はそれらに対応するように材料設計や表面修飾などが行われ,機能が発揮するように作製されている。本稿では,著者が研究している炭酸アパタイトナノ粒子の遺伝子導入剤の研究とイメージング分子で利用されている金属ナノ粒子を中心に紹介していく。さらに無機ナノ粒子と医療分野の応用技術についても併せて紹介する。
最新化粧品・ヘルスケア講座(第XI講)
  • 野々村 美宗
    2012 年 85 巻 7 号 p. 289-292
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2012/10/20
    ジャーナル フリー
    化粧水,ローション,乳液など,多くの化粧品はエマルションである。水の中に油の粒が浮かんだO/W型エマルションや油の中に水の粒が浮かんだW/O型エマルションだけでなく,多相エマルション,マイクロエマルション,ナノエマルション,サーファクタントフリーエマルションなど特徴的な機能をもつエマルションが開発され,化粧料に応用されてきた。また,エマルションを調製する技術も進化している。本稿では,これらのエマルションの特性とその応用について紹介する。
最新印刷講座(第IX講)
基礎塗装講座(第VII講)
  • 森田 忠夫
    2012 年 85 巻 7 号 p. 297-302
    発行日: 2012/07/20
    公開日: 2012/10/20
    ジャーナル フリー
    静電粉体塗装は通常の溶剤塗装と比較した場合,厚塗りしやすいため,塗装膜耐久性の向上が計れる。また塗着しなかった粉体塗料を95%以上回収再利用できるため,ランニングコスト面においても大きなメリットがある。この静電粉体塗装装置は,スチール家具,冷蔵庫やエアコンなどの家電製品,ワイパーやアルミホイールなどの自動車部品,蛍光灯の反射板,自動販売機の筐体など,多種多様な金属製品の塗装に使用されている。以下に静電粉体塗装機器の基礎知識について述べる。
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