モノメリック型(一鎖一親水基型)界面活性剤およびジェミニ型(二鎖二親水基型)界面活性剤の水中における分子集合体形成に及ぼす重合性基の影響を検討した。その結果,非重合性のモノメリック型(UTAB),重合性のモノメリック型(PC11)および非重合性のジェミニ型(11-6-11)の相状態は,低濃度側からミセル溶液(W
m)相-二相共存領域(II)-ヘキサゴナル液晶(H
1)相-ラメラゲル(L
β)相と変化した。一方,重合性のジェミニ型(PC11-6-11)の相状態は,H
1相とL
β相との間にラメラ液晶(L
α)相が出現し,低濃度側からW
m-II-H
1-L
α-L
β相となった。モノメリック型とジェミニ型界面活性剤のどちらの場合も,それらの疎水基末端に重合性基が存在することによりH
1相の形成濃度が上昇した。また,ジェミニ型構造を有する界面活性剤は,モノメリック型の界面活性剤の場合よりもH
1相を形成する濃度(物質量で規格化)が低くなった。
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