色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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85 巻, 8 号
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研究論文
  • 酒井 健一, 西山 広徳, 小椋 孝介, 黒木 悠平, 遠藤 健司, 土屋 好司, 酒井 秀樹, 阿部 正彦
    2012 年 85 巻 8 号 p. 317-320
    発行日: 2012/08/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    モノメリック型(一鎖一親水基型)界面活性剤およびジェミニ型(二鎖二親水基型)界面活性剤の水中における分子集合体形成に及ぼす重合性基の影響を検討した。その結果,非重合性のモノメリック型(UTAB),重合性のモノメリック型(PC11)および非重合性のジェミニ型(11-6-11)の相状態は,低濃度側からミセル溶液(Wm)相-二相共存領域(II)-ヘキサゴナル液晶(H1)相-ラメラゲル(Lβ)相と変化した。一方,重合性のジェミニ型(PC11-6-11)の相状態は,H1相とLβ相との間にラメラ液晶(Lα)相が出現し,低濃度側からWm-II-H1-Lα-Lβ相となった。モノメリック型とジェミニ型界面活性剤のどちらの場合も,それらの疎水基末端に重合性基が存在することによりH1相の形成濃度が上昇した。また,ジェミニ型構造を有する界面活性剤は,モノメリック型の界面活性剤の場合よりもH1相を形成する濃度(物質量で規格化)が低くなった。
  • 八木田 良実, 橋本 晃, 島田 和宏, 松井 和則
    2012 年 85 巻 8 号 p. 321-326
    発行日: 2012/08/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン(BPEA)の微粒子を,BPEAアセトン溶液を水に注入する再沈法を用いて作製し,その光学特性について研究した。作製したBPEA分散液は黄色の均一な溶液で,動的光散乱法により得られた平均粒子径は83~122 nmであった。BPEA分散溶液は,BPEAアセトン溶液とBPEAバルク結晶の間のスペクトル領域に吸収ピークがあり,ナノ粒子固有の吸収を示した。蛍光スペクトルは,525 nmと600 nm付近にピークを示した。前者は0.2 ns程度の蛍光寿命が主成分で,BPEA分散液をろ過して粒子サイズが小さくなると強度が増加するので,ナノ粒子固有の蛍光に帰属した。後者は50 ns程度の蛍光寿命が主成分で,バルク結晶と同一のピークをもっていることからバルク結晶と同一の起源の蛍光に帰属した。
総説
最新化粧品・ヘルスケア講座(第XII講)
最新表面科学講座(第 I 講)
  • 中島 章
    2012 年 85 巻 8 号 p. 343-348
    発行日: 2012/08/20
    公開日: 2012/11/20
    ジャーナル フリー
    固体の表面は,固体自体と他の物質との化学反応の場であるとともに,光,熱,電荷,情報といったものとの直接的な仲介部位である。近年,工業材料に求められる機能は多様化・高度化・複雑化してきており,バルク固体材料の技術的限界をブレークスルーするものとして表面機能材料への期待が高まっている。表面の特異性は,分子や原子の性質がバルクの固体に比べて,より顕著に発現する点にある。今日表面物性は,ナノレベルでの材料評価・解析がなければ,設計ができなくなりつつある。このような背景を踏まえ,今回,「最新表面科学講座」を企画した。本稿では本講座の導入として,身近な表面機能である濡れを例にして,表面機能への組成や構造のかかわりや,表面分析に基づく研究例の一端を紹介する。
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