昇温脱離スペクトルと昇温反応スペクトルは触媒化学の分野では非常に一般的なキャラクタリゼーションであり,その原理の単純さと,簡単な自作装置でも測定可能な簡便さによって広く使用されている測定である。
反面,あまりにもよく知られた測定であるため丁寧な測定方法の解説をする文献は少なく,ほかの分野の研究者が原理から学び,応用するに当たってのハードルが高くなっていることは否めないのが現状である。
本講は,その原理と測定装置の製作,選択において留意する点に関してひととおり述べたうえで,一般的なTPD,TPR測定で注意するべき問題と得られる知見に関して解説し,各分野に応用できるだけの情報を提供することを目的としたものである。
抄録全体を表示