色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
86 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究論文
  • 佐藤 彰, 長濱 正光, 酒井 秀樹, 阿部 正彦
    2013 年 86 巻 1 号 p. 3-7
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/04/27
    ジャーナル フリー
    ポリアミド(PA)の透明性を向上させるために,核剤としてポリメチルフェニルシロキサンを含有した微粒子(ナノカプセルポリマー充填剤;直径約250 nm)を添加したシートを成形し,充填剤の効果を検討した。その結果,PAシートの引っ張り強度が約20%向上した。さらに,ポリマー内のPAの結晶が微細となりかつ均一に生成していたことから,可視光線の散乱が抑制されてシートの透明性が約10倍向上することがわかった。一方,ナノカプセル化していない充填剤を添加した場合,PAの結晶が大きく成長したために成形したシートは不透明であった。つまり,ポリマーに添加する核剤の大きさは微細(ナノサイズ)であり,かつ均一に分散させることが重要であり,とくにPAシートの透明化および引っ張り強度の向上には,ポリメチルフェニルシロキサン含有リポソーム(ナノカプセルポリマー充填剤)の添加が重要であることがわかった。
ノート
解説
  • 橋本 和明, 柴田 裕史, 須山 裕之
    2013 年 86 巻 1 号 p. 12-19
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/04/27
    ジャーナル フリー
    ヨウ素は人体において必須元素である。資源の乏しい日本において,ヨウ素は世界のヨウ素生産量の30%を日本で生産されている数少ない豊富な地下資源である。また,日本のヨウ素生産量の約90%が千葉県で生産されている。ヨウ素は,強力な殺菌作用に比べて人体に対する毒性が低いことから,これまでに医療分野を中心に殺菌・抗菌剤として幅広く利用されてきた。本報では,筆者らが開発したヨウ素を含有させたアルミニウム陽極酸化皮膜,木炭塗料およびポリエチレンフィルムなどの新しい抗菌材料について,それらの調製方法と抗菌特性などを解説した。
    図-8,図-9 Fullsize Image
    図-8 アルミサッシ材(JIS A6063アルミ合金)への応用例,図-9 アルマイト製点字プレートへの応用例
最新表面科学講座(第V講)
  • 多和田 尚吾
    2013 年 86 巻 1 号 p. 20-25
    発行日: 2013/01/20
    公開日: 2013/04/27
    ジャーナル フリー
    昇温脱離スペクトルと昇温反応スペクトルは触媒化学の分野では非常に一般的なキャラクタリゼーションであり,その原理の単純さと,簡単な自作装置でも測定可能な簡便さによって広く使用されている測定である。
    反面,あまりにもよく知られた測定であるため丁寧な測定方法の解説をする文献は少なく,ほかの分野の研究者が原理から学び,応用するに当たってのハードルが高くなっていることは否めないのが現状である。
    本講は,その原理と測定装置の製作,選択において留意する点に関してひととおり述べたうえで,一般的なTPD,TPR測定で注意するべき問題と得られる知見に関して解説し,各分野に応用できるだけの情報を提供することを目的としたものである。
最新分散講座(第I講)
feedback
Top