色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
Print ISSN : 0010-180X
ISSN-L : 0010-180X
88 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
研究論文
  • 中村 有希, 長谷部 亜矢, 城野 哲矢, 村上 拓郎, 徳岡 由一, 川島 德道
    2015 年 88 巻 1 号 p. 2-7
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
    われわれは,Ca(NO32およびMgCl2水溶液を含浸させたシリカゲル微粒子を900℃で焼成することにより,均一な連続的マクロ孔を有するディオプサイド微粒子の合成に成功した(Y. Nakamura, et al.: J. Ceram. Soc. Jpn., 112, 133 (2004))。本研究では,シリカゲル微粒子調製の際に利用した非イオン系界面活性剤であるTween 20の濃度が,ディオプサイド微粒子中のマクロ孔の形成に及ぼす影響について検討した。その結果,Tween 20濃度0.75~15 wt%において,均一な連続的マクロ孔が形成することが確認された。しかし,Tween 20濃度0(無添加)および25 wt%においては,均一な連続的マクロ孔の形成は認められなかった。これは,Tween 20濃度0(無添加)および25 wt%において調製されたシリカゲル微粒子は,Ca(NO32およびMgCl2水溶液を十分に含浸できないためと考えられる。
総説
  • 入江 寛
    2015 年 88 巻 1 号 p. 8-12
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
    粉末光触媒を用いた可視光照射下での水の完全分解に関する既往の研究は一段階励起,二段階励起による分解の二つに区分される。 それらを概説したのち,それらを参考に,また違った観点から,可視光照射下で純水の完全分解が可能な光触媒創製を試みた。一段階励起ではタンタル酸銀のタンタルサイトをニオブ置換(AgTa0.7Nb0.3O3)により伝導帯下端を正の電位シフトすることによって可視光での純水の完全分解を達成した。また二段階励起では銀を酸化還元対および接着剤として用い,水素発生光触媒としてのロジウム酸亜鉛,酸素発生光触媒としてのアンチモン酸銀を接合することによって全固体型二段階励起光触媒ZnRh2O4/Ag/Ag1−xSbO3­−yを創製した。この二段階励起光触媒は可視光照射下で純水を完全分解できた。後者の方法はさまざまな水素・酸素発生光触媒に適用可能であり,現状,波長600 nmまでの可視光を利用して純水の完全分解に成功している。
  • 曽我 公平
    2015 年 88 巻 1 号 p. 13-16
    発行日: 2015/01/20
    公開日: 2015/04/20
    ジャーナル フリー
    希土類イオンを含有するセラミックスの可視光から近赤外光に及ぶ発光は,従来レーザーロッドやディスプレイ用の発光体として応用されてきた。一方,近赤外波長域は生体の光損失が少なく,透明度の高い波長域として知られているため,近赤外の発光を利用したバイオイメージングが注目を浴びている。著者らは希土類イオン含有セラミックスナノ粒子を生体機能化することで,生体の高い透光性を活かした近赤外蛍光バイオイメージングに応用するとともに,この波長域,とくに1,000 nmを超える(OTN)波長域での蛍光バイオイメージングシステムの開発に取り組んできた。本稿では,蛍光体としての希土類イオン含有セラミックスナノ粒子を起点とした小動物の近赤外蛍光バイオイメージングシステムの開発について概説する。
最新接着講座(第12講)
耐久・防食講座(第4講)
feedback
Top