色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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89 巻, 1 号
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ノート
  • 菅野 翔, 国友 絢, 香西 博明
    2016 年 89 巻 1 号 p. 2-5
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究では,光応答性部位として知られるアゾベンゼンを導入した,新規置換アセチレンモノマーを合成し,Rh錯体触媒([Rh(nbd)B(C6H542)を用いて重合を行い,収率63.3%黒色粉末であった。生成ポリマーは,重量平均分子量(Mw)1.5×104,分子量分布(Mw/Mn)1.3であり,トルエンやクロロホルム,THFなどの有機溶媒に可溶であった。得られたポリマーの光異性化挙動について検討したところ,紫外光照射前後のUV-visスペクトルより可逆的なトランス体からシス体への異性化を確認した。また,TG測定の結果,ポリマーの熱重量損失開始温度は,228℃と良好な熱安定性を示した。
解説
耐久・防食講座(第15講)
  • 矢吹 彰広
    2016 年 89 巻 1 号 p. 17-21
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    防食コーティングは鉄鋼材料,アルミニウム合金およびマグネシウム合金といったさまざまな金属の腐食を防ぐための表面処理として広く用いられる。コーティングに要求される特性の一つに自己修復性がある。自己修復性防食コーティングにおいてはコーティングが機械的に損傷,あるいは環境中の腐食因子によって腐食し,金属素地が露出した場合,損傷された表面はコーティング中の修復剤によって,自動的に修復される。クロメート化成処理は自己修復性を有しているが,環境負荷の問題よりその使用が制限された。 本稿では自己修復性防食コーティングの開発例としてふっ素系自己修復性ポリマーコーティング,pH感受性修復剤による自己修復コーティングについて概説する。
光と色彩講座(第3講)
  • 増田 豊
    2016 年 89 巻 1 号 p. 22-28
    発行日: 2016/01/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    色には二面性がある。色彩は物体が反射する光が眼に入り,心理物理量として知覚する。一方,色材は物体が吸収した光によってさまざまな変化があらわれる。反射する光を研究するのが色彩科学であり,質感,感性,美観を経て最終的に経済活動となる。吸収した光を研究するのが色材化学であり,色材の発色,耐候性,熱特性等の材料科学を研究する。どちらも大事な研究で,この二つは一体化し,相互に関係しながら意匠を売る企業として成立している。ここでは深みのある宝石ルビーのような高級感ある自動車の意匠を作る色材の工夫点を解明する。色材そのものから出発し,塗料会社での加工や調色技術を経由して,それが意匠として商品となり,買われるまでの単位技術を互いに関係しながら解説する。
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