色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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89 巻, 3 号
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―小特集 リキッドマーブルとカプセル化技術の進展と応用―
資料
  • 呉羽 拓真, 鈴木 大介
    2016 年 89 巻 3 号 p. 70-74
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/06/20
    ジャーナル フリー
    ヒドロゲル微粒子は水で膨潤し,外部環境に応答するゲルの性質と水中で分散するコロイド的性質を併せもつ材料である。このゲル微粒子自体はおよそ数十nm~数μm程度の微小なサイズであるが,さらに微細なシングルナノオーダーの網目構造を有する。従来,この微細な網目構造の制御や評価は困難である。また,微細な網目構造は,分子の内包・放出担体やドラッグデリバリーシステム等の機能に重要な因子である。われわれはこの微細な構造を小角・広角X線散乱法を適用し評価することで,微細な構造変化に対応する分子内包挙動との相関を明らかにしてきた。本稿では,その微細構造の評価法や解釈およびゲル微粒子がもつ多様な機能との関係について紹介する。
総説
光と色彩講座(第5講)
  • 岡本 卓
    2016 年 89 巻 3 号 p. 93-97
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/06/20
    ジャーナル フリー
    媒質中の光の伝搬および散乱は,色材を扱う分野をはじめとして多くの分野で重要な研究テーマとなっている。その解を与える光学理論は,幾何光学から量子光学まで,解析対象の性質に応じてさまざまなものが構築されてきた。波長に比べて十分に大きなスケールしかもたないものであれば,光を光線とみなして反射・屈折を議論すれば十分である。しかし,小さなスケールになるとそれでは説明が付かない現象があらわれる。この場合,光をスカラー波やベクトル波として取り扱う必要が生じる。本稿では,光を波動や電磁波として解析するための理論的な取り扱いについて説明する。また,数値解析を行うための手法の一つである,時間領域差分法を紹介する。
界面活性剤講座(第2講)
  • 荒牧 賢治
    2016 年 89 巻 3 号 p. 98-101
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/06/20
    ジャーナル フリー
    界面活性剤の機能性は表界面への吸着と分子集合体形成による。界面活性剤の水中での濃度上昇とともにミセルやリオトロピック液晶が形成され,相平衡図中であらわすことが一般的である。界面活性剤濃厚系で形成されるリオトロピック液晶の構造はおもに界面活性剤の集合体中での充填形態によって決まる。非イオン界面活性剤であるポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルではポリ(オキシエチレン)鎖の重合度を変化させると親水基間の反発力が変化しリオトロピック構造の変化が生じ,その構造変化は臨界充填パラメーターによって説明できる。リオトロピック液晶はメソ多孔体合成やDDSキャリアなどに用いることができる。また,希薄系で形成されるミセルの形状も親水基間の反発力に応じて変化する。とくにひも状ミセルと呼ばれる高分子鎖のように伸びたミセルは系の増粘をもたらし,DR剤や泡沫安定化剤などに利用される。
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