色材協会誌
Online ISSN : 1883-2199
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94 巻 , 2 号
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解説
  • 堀 照夫, 宮崎 慶輔
    2021 年 94 巻 2 号 p. 35-39
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/02/27
    ジャーナル 認証あり

    1954年に開発されたポリプロピレン繊維は,十分な強度を有し,耐薬品性に優れ,比重が0.91と軽く,安価であったが,染色できないために衣料用用途などへの展開には限界があった。われわれは,ポリプロピレンを実用化レベルで染色できる染料の開発に取り組み,似たものは溶けあうという「原理」に基づいて,ポリプロピレンの構造に類似な官能基をアントラキノン系染料の置換基として導入することで新規染料を開発した。開発した染料を用い,超臨界二酸化炭素を媒体とする「超臨界染色法」でポリプロピレンが容易に染色ができ,高い堅ろう度を有することを見いだした。黄,赤,青の3原色を揃え,これらの染料を混合して用いることによりその他の色にも染色できることも示した。SGDsを目指す繊維産業にあって,水を使わず,廃液も出さない超臨界染色は,すでにポリエステルニットについてアジア各国で実用化が行われているが,物性や価格でアドバンテージが高いポリプロピレン染色は今後の染色業界の切り札として世界展開できると期待できる。

  • 星野 勝義, 立木 美奈子, 塚田 学
    2021 年 94 巻 2 号 p. 40-46
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/02/27
    ジャーナル 認証あり

    金属フレークを含有する市販の金属調光沢塗料の欠点を克服するために,有機物質のみを利用して金属色を発現する塗料の創製が待望されている。近年,著者らの一人は,その候補となる可能性をもつ物質(過塩素酸イオンドープ3-メトキシチオフェンオリゴマー)とその塗料を開発したが,その溶媒は作業環境上望ましい溶媒ではなく,また光沢も低いものであった。ごく最近,特異な条件下で合成した塩化物イオンドープ3-メトキシチオフェンオリゴマーが水に易溶であり,かつ高い光沢をもつ金色調あるいはブロンズ調光沢塗膜を与えることが見いだされたので,その概要について述べる。具体的には,塗膜の光沢の要因が,オリゴマーが塗膜中で形成するエッジオンラメラ微結晶の大きな光学定数に帰されるといった学術的内容と,脱水処理により塗膜は水に不溶となり,社会実装の可能性が高まったことを示す工学的内容からなる。

最新評価分析講座(第10講)
  • -基礎と応用-
    島田 愛子
    2021 年 94 巻 2 号 p. 47-51
    発行日: 2021/02/20
    公開日: 2021/02/27
    ジャーナル 認証あり

    電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance;ESR)法は,気体,液体,固体中に含まれる不対電子を選択的に検出する磁気共鳴分光法である。不対電子をもつ原子や分子は一般に不安定で高い反応性をもち,ラジカルや遊離基と呼ばれる。それらは物質の酸化還元反応,重合反応,電気分解,劣化などさまざまな化学反応にて生じる。また,その不対電子の存在が材料の特性を決定づける鍵となる場合もある。本稿ではESR法の基礎といくつかの試料を用いた応用例を紹介する。

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