片眼に乳頭浮腫を認めたサルコイドーシスの1例を報告する.症例は54歳の女性.左視力低下を自覚し,近医眼科で左うっ血乳頭を疑われ当院紹介受診となった.頭部CTとMRIでは異常所見を指摘されなかった.
所見:受診時の矯正視力は,右(1.0),左(0.5)であった.右眼底には明らかな異常は認めなかったが,左眼底に発赤を伴う乳頭浮腫を認めた.フルオレセイン蛍光眼底造影検査にて,左視神経乳頭からの蛍光漏出を認めた.全身検索の結果,両側肺門リンパ節腫脹,血清ACE活性高値,血清sIL-2R高値を認めたことから,サルコイドーシスに伴う左乳頭浮腫が考えられた.プレドニゾロン40 mg/日内服を開始したところ,左乳頭浮腫は改善した.
結論:乳頭浮腫を認めた症例ではサルコイドーシスも鑑別に入れて精査することが重要である.
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