心臓
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11 巻, 6 号
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  • 羽根田 隆, 荒井 徹, 中嶋 俊之, 三浦 拓二, 白土 邦男, 宮沢 光瑞, 滝島 任, 三浦 幸雄, 小林 清, 佐久間 久一, 安達 ...
    1979 年 11 巻 6 号 p. 571-576
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Isometric handgrip exercise (IHG)中の交感神経活動を評価するため,心疾憩20例,機能性心雑音6例において,心カテーテル検査時,負荷前,中の冠静脈洞と動脈血漿ノルェピネフリン濃度(NEcs,NEA)をTHI法にて測定した.IHG負荷は最大握力の30%値を3分間持続させ,NEcs,NEA測定用血液は2-3分の間に採取した,IHG負荷によりNEAは全例上昇(286±35→471±66ng/1),全身交感神経活動の尤進が確認された. 一方,NEcsも1例を除き上昇(333±43→509±5伽9/1)したが,心筋遊離NEを反映すると考えられるNEcs-NEA較差(ΔNE)は有意な変化を示さなかつた.一回心仕事量と左室拡張終期圧から心室機能曲線を求めると,その勾配は心疾患13例が1.0未満で心予備能の低下を示した.これら症例は負荷中のΔNEが他の症例に比し有意に小さく,負荷時心交感神経反応が低下していると解された.
  • 小橋 泰之, 香取 瞭, 石川 欽司, 林 健郎, 大谷 昌平, 金政 健, 山門 徹, 田仕 雅洋, 大里 修一郎
    1979 年 11 巻 6 号 p. 577-584
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    甲状腺疾患における血行動態を知る目的で, 機能充進症13例, 低下症4例, 正常機能4例で末梢静脈へ ICG 5mgを急速注入し, 虚血式色素濃度較正法を用いたイヤーピース型デソシトメーター(日本光電MLC 4100)により心拍出量を測定し, 同時に測定した甲状腺ホルモソ値や基礎代謝率などと比較検討した. 心係数と心拍数(r=0.887), 最高色素濃度時間(r=-0.737), 末梢血管抵抗(r=-0.811), および基礎代謝率(r=0.832), ならびに心拍数と基礎代謝率(r=0.911)はいずれも高い相関を示した. 一方心係数と血中 T3値(r=0.552), および T4値(r=0.592), さらに心拍数と T3値(r=0.616), および T4値(r=0.615)との相関はやや劣っていた. 以上から甲状腺疾患における心機能には交感神経β受容体の関与が大きく, 甲状腺ホルモソの血行動態への直接関与は少ないものと考えられた. しかし甲状腺ホルモソに対する心血管系の感受性の差異を考慮に入れる必要がある.
  • Prostaglandin Eと動脈管の開存との関係について
    高松 哲郎, 岡本 力, 石原 義紀, 小田部 栄助
    1979 年 11 巻 6 号 p. 585-591
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    動脈管開存を単独ないし各種先天性心奇形に合併して有する患児に indomethacin を使用し,次のような結果を得た.また動脈管の閉鎖をきたす機序に関し考察を加えた.(1)動脈管開存5名の治療に indomethacin を使用し,心不全を伴った2名の成熟児に有効であった. (2)indomethacin が動脈管閉鎖の効果を示した2名,示さなかった3名の血中 prostaglandln E値を比較したところ,有効例において使用前は高値を,使用後は低値を示した.(3)二次的に動脈管が開存した機序としては,うっ血性心不全低酸素血症がその要因になりうると考えられる.(4)indomethacin は二次的に動脈管が開存した症例だけに有効と考えられる.
  • 原田 研介, 疋田 博之, 藤川 敏, 大国 真彦
    1979 年 11 巻 6 号 p. 592-597
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    本邦において,若年性関節リウマチ(JRA)に伴う心膜炎に関する臨床的な報告は少ない. ここに,われわれの経験したJRAに伴う心膜炎6例の臨床的検討の結果を報告することは意義あることと思う.1968年1月から1978月4月までに日大板橋病院小児科で経験したJRAは40例で,そのうち6例(15%)に心膜炎を認めている.心エコー図導入前では9%に,導入後では50%に心膜炎を認めており,心エコー図により,その診断精度は飛躍的に上昇した.胸部X線では他の原因の心膜炎に比べて,心拡大は軽度である.心電図では,QRSの低電位差,STの上昇は認められるが,T波の変化を伴う例を見ていない.これは,心筋障害の程度が軽いことを示唆していると思われる. 心工憶一図でも,心膜貯留液の量は軽度で,心拡大が軽度であるという事実と一致している.
  • 柿本 祥太郎, 佐々木 進次郎, 井上 隆夫, 岸田 尚夫, 西本 孝, 武内 敦郎, 近藤 敬一郎, 麻田 邦夫, 大関 道麿, 黒田 克 ...
    1979 年 11 巻 6 号 p. 598-603
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    ペースメーカー植込み術は確立した手技として広く行われるようになったが,最近洞機能不全症候群の症例数の増加とともにその合併症としての塞栓症発生が問題となっており,なんらかの対策が必要である.われわれは洞機能不全症候群39例中7例に植込み術後塞栓症を経験したが,うち4例は徐脈頻脈症候群,3例は洞房ブ糧ック群であり,前者では33%の高率であった.術後塞栓症の発生には心房細動や上室性頻拍などの心房調律異常が重要な因子であり,その防止のためには抗不整脈剤やジギタリス剤の投与が必要である.またペーシソグ様式からみると,われわれの症例では心房ペーシング例に塞栓症の発生が皆無であった点からみて,心房ペーシソグは規則正しい心房収縮によって心房内血栓の発生を抑制しさらには心房細動の発生をも抑制する効果を有するものと考えられ,房室伝導系に異常のない場合は第1選択とすべきペーシソグ様式であると思われる.
  • 長島 道夫, 伊藤 明一, 篠田 晋, 花島 隆敏, 今泉 茂樹, 鈴木 彦之
    1979 年 11 巻 6 号 p. 604-609
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    発作性上室性頻拍(PSVT)の機序を解明するために種々の方法があげられる.われわれは,早期心房刺激法を用い房室伝導曲線を作成し,PSVTの機序の鑑別に有用であるかを検討した.対象はPSVTを有する10例で,5例は間融性WPW症候群で検査時QRSの正常化を示していた、残る5例は電気生理学的検索により.潜在性WPW症候群と診断された.全例で,正常房室伝導路を正伝導路副伝導路を逆伝導路とする興奮旋回路を有するPSVTと診断された.房室伝導曲線を描き,その曲線の連続性を分析した結果,全例が連続曲線と判定された.以上の所見より,PSVT例の房室伝導曲線が連続曲線を呈する場合,副伝導路がPSVTの逆伝導路として関与する可能性を常に考慮する必要があると思われる.
  • 小野 和男, 木島 幹博, 束原 康文, 国分 令子, 島 国義, 津田 達徳, 津田 福視
    1979 年 11 巻 6 号 p. 610-616
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    発作性上室性頻拍(PSVT)をくり返し,非発作時は正常な心電図を示した1例について電気生理学的検索を行ったところ,左心側ケント束の一方向性ブロックによる潜在性 WPW 症候群と考えられる所見が得られたので若干の文献的考察を加えてみた. 53歳の主婦であるが心房や右室のextrastimulus法でPSVTは容易に誘発され,または停止したことからreentryと考えられた.右室心尖部から左房間の逆伝導時問は一定で,しかもPSVTの時より長くなることから副伝導路は左心側と考えられた.PSVTの逆伝導性心房波の順位は左房,His束心電図,右房上部ついで右房下部外側の順であり,右房のextrastimulusによる房室伝導でも連続性で jumping もなく,また心房間の伝導障害もないところから,ケソト束の一方向性プロックによるre-entryの可能性が最も考えられた.
  • 佐々木 徹, 松崎 益徳, 阿武 義人, 深川 和英, 萬 忠雄, 石田 健, 藤井 英雄, 清水 正雄, 野本 良一, 池江 喜信, 楠川 ...
    1979 年 11 巻 6 号 p. 617-622
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    56歳男性,および61歳女性の,いずれも心筋梗塞の既往を持つ患者に,食道内心エコー図検査を行った.それぞれ左室前壁と左室心尖部後壁に dyskinesis が認められその内側に心室壁とは性状の異なる,収縮期に外方運動を呈する異常エコーを認めた.エコーの性状および収縮運動より左室壁在血栓を疑い,いずれも左室造影を行い,その存在を確認した.心筋梗塞後の左室壁在血栓の診断に,非観血的な検査法として,食道内心
  • 小山 治, 早川 正徳, 斉藤 清治, 足立 和彦, 種本 基一郎
    1979 年 11 巻 6 号 p. 623-628
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    58歳の男性,高血圧,糖尿病などの既往はない.昭和48年6月初診時,心電図に左室肥大V2-6のST低下を認め follow-up されていた.経過中 TIA 様症状をきたし,50年9月ごろより軽度うっ血性心不全症状を認めdigitalisの投与を受けていた. 52年8月より間漱性破行が出現し始め入院したが突然腹痛,無尿,呼吸困難をきたし,大腿動脈拍動消失,足趾の gangren を認め人工透析などの治療を行ったが死亡した.剖検で心肥大(500g)両室拡大と左室内壁在血栓を認め,左室壁,心室中隔の線維化と軽度細胞浸潤がみられ心筋炎の後遺症を疑わせる組織学的特微を持っており,著明な心筋の錯綜配列を認めた.この他に腹部大動脈および両側腎動脈の血栓栓塞によると思われる閉塞と両腎壊死,肺硬塞を認めた.
  • 福原 正博, 小山 治, 大西 一男, 足立 和彦, 種本 基一郎, 松浦 覚
    1979 年 11 巻 6 号 p. 629-634
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈炎症候群は,しぽしば冠状動脈に病変を及ぼす例も見られ,冠状動脈病変としては,狭窄,蛇行,壁不整,拡張,吻合,側副血行路形成などが報告されているがきわめてまれに動脈瘤をきたすこともある.われわれの知る限りこれまでに2例の報告を見るのみである.われわれは最近両側冠状動脈起始部に動脈瘤をきたし,心筋硬塞発作をきたして死亡した大動脈炎症候群の一剖検例を経験し,臨床的,および組織学的検索より,冠状動脈瘤の発生に,炎症による動脈壁の変化および血行動態異常の両要因の関与が考えられたので報告する.
  • われわれの考案した特殊なカテーテルを用いて
    桜井 武雄, 星野 英明, 岡田 一男, 阪中 孝三, 横井 秀樹, 岡田 浪速
    1979 年 11 巻 6 号 p. 635-638
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    動脈管開存症に対して非開胸的動脈管閉鎖術が Porstmann により考案され,本邦においても多数の臨床成功例が高宮,佐藤らにより報告されている. Porstmann 氏法を施行するには,通常の右心カテーテル法以外に大動脈造影を行い動脈管の型および大きさを術前に知る必要がある.このためわれわれは特殊なカテーテルを作成し,これを用いて右心カテーテル検査時に静脈系から動脈管を鮮明に造影することに成功し,大動脈造影を省略することができたので報告する.
  • 真島 三郎, 村山 正博
    1979 年 11 巻 6 号 p. 639-647
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 渡部 良夫, 西村 昌雄
    1979 年 11 巻 6 号 p. 648-658
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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