心臓
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13 巻, 10 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 延吉 正清, 高地 恭二, 野坂 秀行, 伊藤 幸義, 中村 展招, 西村 健司, 服部 隆一, 和田 泰三, 本井 智巳, 宮原 妙子, ...
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1177-1188
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    当院でS50年3月より,S56年1月まで冠動脈造影を施行した陳旧性心筋梗塞症患者400例中14例(3.5%)に,正常冠動脈造影像を呈する症例を経験した.男性9例,女性5例,年齢は31歳より56歳までで,平均年齢45歳であった.14例中2例は冠塞栓が原因であると推定された.残る12例につきrisk factorを検討すると,喫煙が10例と一番多くその他,高脂血症4例,高血圧1例,糖尿病1例であった.11例にergonovine負荷を行い,7例に陽性であった.このうち2例は,心筋梗塞急性期に冠動脈造影を施行し,前下行枝に完全閉塞,右冠動脈に壁在血栓を認めた.他の1例は回旋枝に塞栓を認めたが,慢性期には完全にrecanalizationを起こしていた.
    正常冠動脈造影像を呈する心筋梗塞症として,冠塞栓と冠痙攣が,その原因として強く示唆された.
  • 虚血心筋の乳酸代謝を中心として
    二瓶 東洋, 菊田 稔, 遠山 慎一, 小林 公也, 北村 豊, 佐野 敏雄, 博田 定, 金子 好宏
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1189-1197
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心筋代謝において重要な役割を果しているCoQ10に虚血心筋保護作用があるかどうかを調べるため,冠動脈結紮による急性梗塞犬を作成し次の実験を行った.平均体重14.5kgの雑種成犬20頭を用い,ペントバルビタール麻酔後開胸し切開した心膜上に心臓を固定した.ついで,左前下行枝を露出せしめ動脈鉗子を用いて10分間結紮した後にひとまづ結紮を開放した.ここで血行動態が術前のレベルに回復するのをまち,再度結紮し,これを40分間続けた.結紮前10分および結紮後10分目に左前下行枝に伴行する冠静脈から採血してそれぞれの乳酸値を測定した.第1回と第2回結紮後の乳酸産生率の比を対照群とCoQ100投与群(5mg/kg)で比較したところ,CoQ10投与群において乳酸産生率が有意に低下していた.
    また,血行動態面ではCoQ10投与群において血圧低下と左房圧上昇の抑制がみられた.さらに,心外膜心電図ではCoQ10投与群において虚血周辺部のΣSTが時間の経過と共に低下する傾向を示した.以上より心筋虚血時にはCoQ10の乳酸産生抑制,血行動態の保持,虚血周辺部のΣSTの上昇抑制効果などがみられたが,これらのことからCoQ10には虚血心筋に対する保護作用のあることが窺われた.
    Apstemの報告にみられるように心筋虚血の重症度,持続時間と乳酸産生量との間には微妙な限界があるが,冠静脈洞血ではなく伴行静脈血について検討したこの実験モデルでも乳酸産生量は重症虚血の単純な指標にはならないことが分った.しかし,乳酸産生量の個体間変動がつねに計量医学的に問題を提起するこの種の実験で,われわれは2回結紮法,伴行静脈よりの採血,さらに,differential rateに計測の基礎をおくことにより,いささかでもデータの大きなバラツキを防止し得たものと確信している.
  • 15剖検例の臨床病理学的解析
    礒田 幸太郎, 濱本 祐二
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1198-1205
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    過去11年間における872例の剖検例のうち,15例の心臓カンジダ症につき,臨床病理学的に解析した.これらは昭和49年以前には認められず,15例中14例が昭和51年以降に集中していた.半数以上が60歳以上(平均年齢55.5歳)で,11例が悪性腫瘍例であり,いずれも2種以上の抗生剤や,副腎皮質ホルモン,制癌剤による治療を受けていた.15例の心臓カンジダ症は,病理学的に生体防御反応の低下を示すものが多く,全例,カンジダ性敗血症の一環として発症したものであった.15例中11例が心筋に多発性微小膿瘍形成を呈したが,カンジダおよびアスペルギルスの重複感染による疣贅性心内膜炎や線維素性心外膜炎などの重篤な心臓病変も少数例にてみられた.15例中13例に抗生剤に反応しない持続性高熱が出現し,13例とも高熱出現後,短期間(平均18日)で死亡したが,15例の心臓カンジダ症はこの高熱以外の臨床症状にきわめて乏しく,特異的な心臓徴候や心電図変化はほとんど出現せず,生前診断例は皆無であった.
  • 洞房伝導時間推定法に対する実験的検討
    山口 巌
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1206-1216
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    ウサギ右房組織に対する微小電極法を用いて,心房早期刺激法による推定洞房伝導時間を,実測洞房伝導時間との比較をもとに,それぞれに対する影響因子について検討した.
    実測伝導時間は推定伝導時間より有意に大であった.推定伝導時間は,心房早期刺激により洞結節のリセットが生じる最大連結期(移行点)の時点により影響を受ける.心房早期刺激により脱分極した洞結節活動電位の指標のうち,位相4の勾配,“take-off potential”,最大拡張期電位,活動電位持続時間および振幅の変化はそれぞれ単独では推定伝導時間に影響を与え得ない.
    短い連結期の心房早期刺激により実測逆行洞房伝導時間の著しい延長が認められた.
    洞結節機能に対する心房早期刺激の効果は実測および推定洞房伝導時間に影響を与える諸因子の複合体であるが心房早期刺激法による洞房伝導時間推定法はその再現性により臨床的使用に耐え得ることが示唆される.
  • 9例の経験より
    牧 隆敏, 戸塚 武和, 柴田 利満, 横山 修三, 宮沢 要一朗, 原口 寿夫, 新村 一郎
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1217-1223
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    器質的心疾患を伴わぬ accelerated idioventricular rhythm (AIVR)の9児童例について心電図学的検討を加えた.(1)洞周期の短縮によりAIVRの発現は抑制された.(2)連結期は多彩で,先行洞周期より短い間隔の連結期もみられた.(3)全例基本調律である洞周期の変動が大きかった.(4)長期観察例ではAIVRの消失例もみられた.
    従来より器質的心疾患を有さないAIVRは予後良好な疾患と報告されているが,われわれの3カ月~8年の経過観察においてもきわめて良好であり,これらの患児の管理上不必要な運動制限を行わぬように充分注意すべきと思われた.
  • 河内 寛治, 北村 惣一郎, 中埜 粛, 大山 朝賢, 藤野 正興, 横田 侃児, 森本 静夫, 広瀬 一, 大西 健二, 井原 勝彦, 島 ...
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1224-1228
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈弁置換術後あるいは高度の大動脈弁狭窄症では,逆行性に左室にカテーテルを入れることは困難である.そこで,從来のブロッケンブロー法による経心房中隔経由による方法に改良を加え左室に到達する方法を考案した.カテーテルは,先端より7cmに支点を持ち約270°に彎曲させさらに先端をpig-tail様に内側に曲げ,心筋の損傷を防ぐように工夫した.32症例に33回本法による左室到達を行い,32回(97%)に成功した.
    本カテーテルを左室に留置したまま,仰臥位で自転車型エルゴメーターによる運動負荷を行ってもカテーテルは左室から抜けず,不整脈もほとんど認めなかった.また,左室造影を施行しても,不整脈の出現は少なく,合併症も認めなかった.逆行性に左室到達の困難な症例に対して,現在の左室到達法では,一番安全かつ確実な方法であり,将来さらに発展してゆくものと考えている.
  • 森本 美典, 野田 悦生, 山森 雅彦, 中井 久太夫, 小西 得司, 川浪 千尋, 浜田 正行, 中野 赳, 竹沢 英郎
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1229-1238
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    目的および方法:肺水腫を伴うNYHA IV° の心不全10例(平均年齢59歳,急性心筋梗塞3例,陳旧性心筋梗塞2例,高血圧性心疾患4例,僧帽弁閉鎮不全1例)を対象にNifedipine 10mg カプセル内容舌下投与における急性効果を検討した.各種血行動態諸指標はSwan-Ganz catheterにより経時的に測定し,心拍出量は熱稀釈法により計測した.
    結果:投与後5分ないし15分で,心係数および1回拍出量係数は有意に増加,平均動脈圧・肺動脈楔入圧・平均肺動脈圧・平均右房圧・全末梢血管抵抗・肺血管抵抗およびDouble product は有意に低下し,30分ないし2時間で最大効果,以後6時間まで持続した.心拍数ならびに1回心仕事係数は有意な変動を示さなかった.以上より,心筋酸素消費量に関係する諸指標を減少させ,心拍出量を増加させ,また,呼吸困難を主とする臨床症状も血行動態諸指標の改善に伴い軽減したことよりNifedipineは重症心不全治療上有効であると思われた.
  • 児島 俊一, 南 勝, 西島 宏隆, 橋本 文教, 松村 尚哉, 安田 寿一
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1239-1244
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心予備力が低下している心疾患患者の運動負荷のために,われわれはトレッドミル段階負荷試験であるBruce法を改変した.速度1.1マイル/時,傾斜0%(stage 0)で開始し,その後は速度を原法の65%に減じた.Bruce変法は,原法に比し各段階で心拍数は約15%,分時酸素摂取量(VO2)は約30%おさえられた.また,健常者,軽症心不全患者にBruce変法で0-I-II 3段階9分間の負荷を行ったが,両群間で各段階でのVO2,分時換気量(VE),心拍数,血圧に差がなかった.この変法0-I-II 9分間負荷を途中で中止することなく達成可能であったのは,NYHA機能分類I度15名中14名(93.3%),II度44名中37名(84.1%),III度11名中6名(54.5%)であった.全員合併症なく安全に行うことができた.なわち,このBruce変法によって心疾患患者の運動耐容能をより詳細に評価することが可能となった.
  • 飯野 朗子, 盛 英三, 赤石 誠, 林 潤一, 三田村 秀雄, 継 健, 秋月 哲史, 小川 聡, 星野 達夫, 山崎 元, 半田 俊之介 ...
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1245-1250
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心雑音を主訴とした無症状の16歳の男子に体表面心音図,心腔内心音図,Mモード心エコー図,断層心エコー図,心臓カテーテル検査,肺動脈造影を行い,僧帽弁および三尖弁逸脱症を合併した先天性肺動脈弁閉鎖不全症と診断した.体表面心音図では漸増漸減性拡張期雑音が記録され,この雑音は心腔内心音図にて肺動脈弁直下の右室流出路で最強であった.心臓カテーテル検査では血行動態諸量はすべて正常範囲であった.肺動脈造影により特発性肺動脈拡張症は否定された.興味をもたれたのは断層心エコー図で,僧帽弁および三尖弁の逸脱に加えて肺動脈弁にも2つの弁尖が明瞭に記録され,そのredundancyが疑われたことであるコントラスト法では弁逸脱による三尖弁閉鎖不全症が示唆された.肺動脈弁の逆流の発生機序として,連合弁逸脱症のスペクトラムの中にある肺動脈弁逸脱症も考えられた.
  • 栗本 透, 唐川 正洋, 馬殿 正人, 島砂 智子, 藤川 泰博, 酒井 章, 塩田 登志也
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1251-1258
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Kent束の伝導障害が存在するために,通常は心室の早期興奮が顕在化せず,心房ペーシング時,あるいは回帰性頻拍発作時に Kent 束を介しての伝導が出現する症例(31歳,男)を経験した.
    心房ペーシングにより房室結節の伝導遅延がわずかに生じると心室の早期興奮が出現するが,その際もP-Q時間の短縮は認められなかった.
    回帰性頻拍の際もQRSはΔ波を有し,興奮は,Kent束を順行性に伝播した.逆行性には電気生理学的検索により,一部房室結節を,大半は房室結節近傍に存在する別の副伝導路を介したものと推定された.
    その他心房ペーシング時にKent 束の2:1ブロック,頻拍症をペーシングで停止した際にはKentのWenckebach周期がみられ,Kent束あるいはKent束接合部における伝導障害が考えられた.
  • 清水 満, 福田 圭介, 岡田 了三, 北村 和夫, 鈴木 孝治, 尾崎 治夫, 野口 善範, 阿部 亮, 羽里 信種, 谷中 誠
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1259-1264
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    アルコール性心疾患の剖検報告例は少ない.46歳男性,成人後清酒5合連日20年間の飲酒歴を持つが,自覚症状なく経過.44歳で大酒後呼吸困難出現して後強心利尿剤の投与を受け,死亡10カ月前に心不全症状増悪のため入院.入院時,心尖部に汎収縮期雑音を聴き,肝腫大を認めた.胸部X線写真では心胸廓比68%,心電図では心房細動,低電位,ST・T変化,連発性期外収縮を,心臓超音波検査では左心室内腔拡大,駆出率低下を認めた.入院後,安静・断酒,利尿剤などの投与により自他覚的症状は一時軽快したが,排便中に心室細動を起こし急死.剖検では心重量550g,両心室は拡張性肥大を示し,冠状動脈に狭窄所見なく,組織学的には心筋の肥大・大小不同,左心室後側壁に最も強いびまん性線維症,脂肪滴,PAS陽性顆粒の沈着,変性所見を認め,脚気心や肝原性ミオカルドーゼなど,その成因上鑑別を有する疾患とは明らかに異なる所見が得られ注目された.今後症例の集積が望まれる.
  • 水谷 敬一, 津田 司, 加藤 孝和, 沢山 俊民
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1265-1270
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    早期興奮症候群と家族性心筋症の合併の報告は必ずしもまれではないが,電気生理学的にJames束およびMahaim束の存在を診断しえた症例は見あたらないので報告する.
    症例は24歳の男子,10歳で心雑音を指摘され,1年前から頻脈発作を繰り返すため入院した.血圧は正常,脈拍は毎分60で整.心尖部に2度の收縮中期雑音を聴取.心電図はPQ短縮,デルタ波,著明な両心房負荷,高度の左室高電位,頻脈発作時の心電図は心房粗動であった.心エコー図は両心室壁の肥厚(非対称性肥厚なし).心室中隔に早期興奮を示すnotchを認めた.心カテーテル検査は左室流出路の圧較差を示さず,左室造影は著明な左室肥大と乳頭筋の肥大を示した.以上より非閉塞性肥大型心筋症と診断した.電気生理学的検索で,右房高頻度刺激を行ったが,AH 50, HV 30msecと短縮したまま一定であり,James束およびMahaim束と診断した.家系内に急死5例,早期興奮症候群2例,左室肥大2例を認め,家族性発症が明らかであると考えられた.
  • 今村 陽一, 丸谷 公一, 田中 直秀, 朴 永大, 深見 健一, 本田 喬, 斎藤 宗靖, 土師 一夫, 平盛 勝彦, 池田 正男, 呉 ...
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1271-1278
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は,右室梗塞を合併した後下壁心筋梗塞症の70歳の女性で,血行動態上平均右房圧が平均肺動脈楔入圧より高く,色素稀釈曲線及びコントラスト心エコー図で右左シャントが認められた.本例は,心筋梗塞発症後15日目に心タンポナーデを生じ死亡した.剖検で,左室後壁右室,右房に梗塞巣がみられた.心房中隔には卵円孔が開存し,左室後壁梗塞巣には広範な出血と血腫がみられ,その心外膜面には心室内腔とは交通のない長さ1cmの破裂孔が認められた.心タンポナーデの原因は,心筋内血腫の破裂によるものと考えられた.
    卵円孔を介する右左シャントは,右室梗塞による右室コンプライアンスの低下により右房圧が左房圧より上昇したため生じたと考えられた.卵円孔を介する右左シャントを有し,さらに心筋内血腫の破裂により死亡した症例はきわめて稀であるので報告する.
  • Phenothiazine系薬剤によるQT延長とAdams-Stokes 症候群
    瀬川 郁夫, 小野寺 竜彦, 織笠 長俊, 川上 幹夫, 肥田 敏比古, 加藤 政孝, 土井尻 健一, 小野寺 正信
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1279-1285
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    20年来,phenothiazine系薬剤を服用していた61歳の女性が食餌性の低K・低Ca血症を合併し,心電図上著明なQT延長,洞性不整脈,心室性期外収縮および心室頻拍が出現し,Adams-Stokes症候群をきたした1症例を経験した.著明なQT延長,期外収縮および心室頻拍はK剤投与とphenothiazine系薬剤服用中止後第22日目より消失したが,洞性不整脈は持続した.入院後第85病日に施行したphenothiazine系薬剤の再投与によりふたたびQT延長を認めた.本症例でphenothiazine系薬剤の副作用に加えて電解質異常の合併が影響したと考えられた.phenothiazine 系薬剤によるQT延長,Adams-Stokes症候群の報告は少なく,また,常用量投与により発症した症例の報告はほとんどない.ここに若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 宮田 義弥, 石原 智嘉, 大宮 孝, 玉木 修治, 佐竹 立成, 宮垣 仁実
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1286-1290
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    32歳男性で不明熱を主訴に来院した患者に,胸部単純X線写真上,心臓内石灰化腫瘤を確認し,精査のうえ右心室内孤立性の石灰化腫瘤として,手術的にこれを摘除した症例を報告する.その成因は摘除標本の病理学的な検索でも確定不可能であったが,われわれはこれを,腫瘍の石灰化,変性心筋組織の石灰化などでなく,壁在血栓の石灰化であろうと考えた.
    心臓内石灰化腫瘤に対する手術適応は,(1)成因不明で,発熱,不定胸痛などの症状の原因となっている可能性があること,(2)肺梗塞の危険があること,(3)手術手技の容易なことなどから,かなり広く考えてよいと思われる.
    なお本症の診断における胸部単純X線写真の重要性を改めて強調する.
  • 梶原 真人, 伊藤 猛雄, 北村 憲司, 栗山 煕
    1981 年 13 巻 10 号 p. 1291-1303
    発行日: 1981/10/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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