心臓
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14 巻, 1 号
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  • 小川 聡, 三田村 秀雄, 村山 晃, 藤井 効, 半田 俊之介, 中村 芳郎
    1982 年 14 巻 1 号 p. 3-11
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Mモード心エコー図上,左室壁の異常運動の局在から,冠状動脈病変の部位診断を行う試みが多く報告されているが,心室中隔と左室後壁の一部のみからの情報には限りがある.これに対し断層心エコー法では,各断面像を組み合わせることにより左室の立体像を構築することができ,左室壁異常の正確な部位診断から,その灌流動脈の病変を予知することが可能となっている.本稿では,従来からの研究を概説するとともに,断層心エコー法で冠状動脈病変の診断をする上で必要な左室記録法,左室壁区分法を紹介する.さらに,著者らの心筋梗塞例での検討から明らかとなっている,左室各区画と,心電図上の梗塞部位診断および,冠状動脈造影所見との関係について解説する.
  • shunt作成前後およびdopamine負荷による変化
    中津 忠則, 宮内 吉男, 湯浅 安人, 松岡 優, 植田 秀信, 宮尾 益英
    1982 年 14 巻 1 号 p. 12-20
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心室位LV-RV shunt作成犬を用いてsystolic timeinterval(STI)および左室圧一次微分波より求められる心機能の各指標について,(1)心室位LV-RV shuntを有する場合の有用性.(2)心筋収縮状態の変化に対して敏感であるか.(3)afterloadの変化に対する独立性.という観点から検討した.その結果,心室位LV-RV shunt作成により,ET*.PEP*,ICT*は短縮したが,R to dP/dt,peak positivedP/dt,peak negative dP/dt,(peak positive dP/dt)/Pdおよび(peak negative dP/dt)/Pdの変化は少なかった.心筋収縮力の変化に対して敏感な指標は, peak posi-tive dP/dtおよびpeak negative dP/dtであった.afterloadの影響が大であったのは,peak positive dP/dtおよびpeak negatlve dP/dtであり,影響が少なかったのは(peak positive dP/dt)/Pd,(peak negative dP/dt)/PdおよびR to dP/dtであった.(LV-RV shuntを有する場合は真の等容収縮期がないので指標の右肩に*印をつけた.)
  • 幸治 隆一, 須川 正宏, 内藤 操, 竹沢 英郎
    1982 年 14 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞97例のPEP/LVETを発症直後より連日7日間,第30病日,1年後と経時的に測定した.生存群に比べ経過中に死亡した群ではPEP/LVETが第1病日より第3病日にかけて有意に(p<0.01)増大した.経過中にS3の出現したS3(+)群とS3(-)群ではS3(+)群が,部位別では広範前壁梗塞が,他の部位の梗塞群に比べ全経過を通じ有意(p<0.01)に高値を示した.また梗塞発症直後はcatecholamineの影響を受けた値と思われるが,その条件下で第1病日のPEP/LVETが予後ならびに重症度判定に役立つかについて検討した.死亡者は第1病日のPEP/LVETが増大するにつれて多く,S3もPEP/LVETが増大するに従い高頻度に発生した.しかもS3(+)でPEP/LVETの高値群はとくに予後不良であったが,S3(+)であってもPEP/LVETの低値群(正常群)は予後に関係なかった.また経過中に測定したCPK,GOT,LDHの最高値はPEP/LVETの増大に従い高値を示し,酵素学的な心筋梗塞の大きさとPEP/LVETによる重症度とよく一致した.
  • 余川 茂, 秋山 真, 杉本 恒明, 浦岡 忠夫, 寺田 康人, 井内 和幸, 神保 正樹, 甲州 道子, 西野 章, 吉田 耕司郎
    1982 年 14 巻 1 号 p. 30-36
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Mexiletine 100mg静注のヒト心に及ぼす影響を,His束心電図, 心房ベーシング, 心房および心室期外刺激法により,20例の患者で検討した,洞周期,房室結節伝導時間,His-Purkinje系の伝導時間には,有意の変化がなかった.洞自動能回復時間,心房筋・房室結節・心室筋の不応期の変化には一定の傾向がなかった. 一方, 心室副収縮および非発作性心室性頻拍のshort runは完全に消失した.心房エコーは,投与前では10例にみとめられたが,mexiletine投与後では4例にみられた.心室エコーは前に9例で認められ,後では7例にみられた.この7例中2例では,心室エコー帯の長さの著明な短縮がみられた.以上より,mexiletineの電気生理学的作用は,異所性自動能を抑制し,心房および心室エコーを起こりにくくするものであると考えられる.
  • 健康小児について
    吉田 哲也, 石川 純一, 新野 正治, 宮崎 正章, 松田 博
    1982 年 14 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    8カ月から13歳までの健康小児65名を対象とし,Mモード心エコー図にて, 半月弁, 房室弁を記録, 左右心室の各心時相を測定した.健康小児のET,PEPは従来の報告と同様,左右心室ともに先行RR間隔と正の相関が認められ,健康小児全例RVETがLVETより長く,多くの例がRVPEPはLVPEPより短かった.さらにoverdrive RA pacingによるRR間隔の短縮に伴いLVET,RVETとも短縮していたが,LVPEP,RVPEPはともに有意の変化は認めなかった.LV・true ICTおよびLV・classic ICTは先行RR間隔と正の相関が認められたが,RV・true ICTおよびRV・classic ICTは先行RR間隔とは相関しなかった.また健康小児全例true ICT,classic ICTとも左室が右室より長かった.overdrive RA pacingによるRR間隔の変化によってもtrue ICT・classic ICTは左右心室とも有意の変化は認めなかった. LVIRTおよびRVIRTはともに先行RR間隔と正の相関が認められ,さらにoverdrive RA pacingによるRR間隔の短縮によってもLVIRT,RVIRTはともに有意に短縮していた.左右心時相を詳細に分析することにより各種心疾患の診断や程度を把握し得,その循環動態の異常をかなり正確に推定することが可能と思われる.このような意味から今回得られた健康小児における左右各心時相の値は今後の心疾患患児における循環動態の異常の検討に役立つものと考えられる.
  • 伴 敏彦, 西脇 登, 坂田 隆造, 曽根田 純一, 高 欽澤, 西村 和修
    1982 年 14 巻 1 号 p. 46-54
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    先天性心疾患1例および後天性弁膜症10例にA-Cバイパス術を合併施行し,病院死亡1例,遠隔期死亡3例の成績を得た.
    心臓手術年齢が高齢化してきた今日,冠動脈病変を合併している症例は増加しつつてある.われわれは術前35歳以上の先天性心疾患および後天性弁膜症例には,ルーチンに冠動脈造影を行い, 冠動脈病変を有するものに対しては積極的にA-Cバイパス術を併せ施行する方針をとっている.
    また,術前冠動脈病変を有する症例は術前より左心機能の低下しているものが多く,術中心筋保護に充分注意する必要がある.われわれはこの点よりA-Cパイパスを優先的に行い,できる限り冠灌流下,non-workingbeating heart下に手術を行うようにしている.特に左心機能の悪いものについてはIABPを積極的に使用し,部分体外循環と共に充分な補助循環により,良好な成績を得ることができるものと考える.
  • 関 修一郎, 村上 直樹, 蔵屋 一枝, 菊地 二郎, 住吉 稔, 池ノ上 克, 大西 義孝, 寺原 悦子, 松田 義雄, 外西 寿彦, 西 ...
    1982 年 14 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    最近,4例の肺動脈閉鎖を経験した.呼吸管理に,経度的酸素分圧モニターを用いているが,全例にサインカーブ状のパターンを認めた. サインカーブの極大は40torr前後,極小は0torrに近くなる.周期は10分前後である. 前胸部鎖骨下にマイクロフォンを装着し心音図を記録すると,極小において収縮期雑音であったものが,極大では連続性になり大きくなる.このことより,動脈管の収縮と弛緩による現象と思われた.cardiopneumogramを同時に記録しているが,無呼吸や,周期性の呼吸は特に認められず,呼吸心拍は,この現象に影響を与える因子としては考えられない.この現象の生理学的意味は不明であるが,新生児期早期において肺動脈閉鎖の補助診断的意味,動脈血の酸素化を知るための動脈血採血によるspot valueには問題があることは重要であろう.
  • とくに大動脈弁と僧帽弁との病変の合併例に関する検討
    重信 雅春, 妹尾 嘉昌, 名和 清人, 川上 俊爾, 村上 泰治, 寺本 滋
    1982 年 14 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    連合弁膜症の手術成績ならびに予後について,術前の臨床症状のみならず,血行動態および心機能の面から検討した論文は少ない.このたび,著者らは,岡山大学第2外科教室で施行された33例の大動脈弁と僧帽弁との連合弁膜症の患者について,検討を加えた.その結果,AS+MS群,AS+MR群およびAR+MS群については,術前に心機能が保持されている場合には,手術成績も良好で,充分な社会復帰が可能であった.一方,AR+MR群については,左室心筋に非可逆性の障害をきたす前に,できるだけ早期に手術を施行しないと,手術成績ならびに遠隔期の臨床症状の改善度(qualityof life)に著しい影響をおよぼすことが推測された.単弁疾患に比して,連合弁膜症では,相互の病変が影響を及ぼしあうことにより,さまざまな様相を呈するので,術前から病態および血行動態を適確に把握することの重要性を痛感した.
  • 外村 洋一, 小野 忠弘, 堀尾 豊, 庄野 元, 松本 芳彬, 奥村 謙, 志摩 清, 徳臣 晴比古
    1982 年 14 巻 1 号 p. 66-74
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    最近5年間の電気生理学的検討においてWPW症候群36例中2例に,潜在性WPW症候群15例中3例にdualA-V nodal pathways の合併を経験した.この5例全例にPSVTがみられ,これらは房室結節を順行性にKent束を逆行性に通るA-V reciprocating tachycardia(AVRT)であった.うちWPW症候群の2例ではKent束の順行性の有効不応期(ERP)が房室結節のfast pathwayのERPより長かったためにdual A-Vnodal pathwaysの存在が確認可能であった.またWPW症候群,潜在性WPW症候群各1例において,頻拍発作中R-R間隔が交互に異なる頻拍を認めたが,これは房室結節のfast pathwayとslow pathwayを交互に通り, 逆行性にはKent束を通るAVRTであった. この頻拍においてはfast pathwayのERPが比較的短いためにfast pathwayでの2:1伝導が可能であったが,1:1伝導をするまでにはERPは短くなく,fast pathwayとslow pathwayを交互に通ってR-R間隔が交互に異なる頻拍が生じたものと思われる.
  • 佐地 勉, 山本 桂子, 橋口 玲子, 松尾 準雄, 矢部 喜正, 川崎 健
    1982 年 14 巻 1 号 p. 75-80
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    6歳男児,特有顔貌および低身長を呈し,染色体分析にて正常表現型を示したNoonan症候群の1例を報告する.心カテーテル検査の結果,dysplasticなvalvular PS,ASD,asymmetric septal hypertrophy(ASH)に加え単一左冠状動脈singe left coronary artery(Smithの分類type II,Ogde-Goodyer分類type L-4)を合併した症例であった. 単一冠状動脈は先天性心疾患に合併する症例もみられ,また心筋虚血や僧帽弁逆流をきたすtypeもあることが知られている.Noonan症候群には種々な心疾患が合併することが知られているが,単一左冠状動脈の報告は1例にみられるのみである.また最近では肥大型心筋症HCMの合併もその臨床経過に重要な役割を持っていることが知られてきた.心カテーテル所見を中心にまれな冠動脈奇形を伴ったNoonan症候群の1例を報告する.
  • 下川 宏明, 小岩屋 靖, 光武 新人, 中垣 修, 折田 泰彦, 竹下 彰, 中村 元臣
    1982 年 14 巻 1 号 p. 81-87
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    梗塞後狭心症は梗塞巣の拡大に結びつくことが多く重篤な合併症とされているが,その病態や治療法についてはまだ明らかでないところが多い.われわれは,冠動脈攣縮が梗塞前および梗塞後の狭心症状の原因と思われる症例を経験し,Ca拮抗剤の投与により狭心発作を完全に抑制しえたので報告する.症例は66歳の男性で,昭和52年より夜間就寝中に胸痛発作を経験していたが,昭和55年7月21日午前4時に激しい胸痛が生じ,急性下壁心筋梗塞症と診断され当科に入院.入院後も,特に深夜から早朝にかけて胸痛発作が頻発し,下壁誘導心電図にSTレベルの周期的上昇が観察された.異型狭心症の合併と診断し,diltiazem 240mg/日を投与し,胸痛発作を完全に抑制した.第59病日に心臓カテーテル検査を行い.右冠動脈近中位部に99%の狭窄を認めた.退院前に抗狭心薬非投与下に施行したトレッドミル運動負荷試験(最大心拍数140/分)では,狭心痛の発生なく,有意のSTT変化を認めなかった.
  • 1治験例の報告と本邦文献例の考察
    片桐 幹夫, 入沢 敬夫, 小林 稔, 中村 千春, 西村 和典, 鷲尾 正彦, 高宮 誠, 目黒 泰一郎, 亀井 文雄, 岡崎 晟
    1982 年 14 巻 1 号 p. 88-96
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    左冠状動脈肺動脈異常起始症の1例に対し,左冠状動脈開口部閉鎖および大動脈左冠状動脈バイパス術を施行し,良好な結果を得たので報告する.症例は46歳の女性で,過労時の失神発作およびガス中毒時の前胸部圧迫感を経験している.左前胸壁で収縮期雑音を聴取し,心電図でI, aV L, V 2,3,4にq波があり負荷陽性,肺動脈で32%の左右短絡を認め,右冠状動脈造影で本症と診断,手術を施行した.体外循環下に肺動脈を横切開し,左冠状動脈開口部を閉鎖し,自家大伏在静脈を,大動脈と左冠状動脈前下行枝にそれぞれ端側吻合した.グラフト内血流量は平均100ml/分であった.術後経過は良好で,静脈様に著明に拡張・蛇行していた右冠状動脈は,術後,直径を約60%に減じ,左回旋枝の血流は増加し,吻合枝間には,to and fro 現象が見られた.心電図で,V 2,3,4のq波は消失した.本症に対するパイパス術は,有用な術式と考えられる.なお,本症例は,本邦最高年齢である.
  • 飯田 要, 山口 徹, 小川 剛, 杉下 靖郎, 伊藤 巌, 蘇原 泰則, 三井 清文, 松本 邦彦, 秋貞 雅祥, 小形 岳三郎
    1982 年 14 巻 1 号 p. 97-103
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    primary chylopericardiumはきわめてまれな疾患で病因についていまだ定説を認めないが,特徴は心膜内にSudan III色素で赤染する脂肪球を多量に含む乳白色の心膜液貯留がみられることである.この心膜液はトリグリセライド高値,カイロミクロン陽性を示す.われわれは約40年におよぶ長期経過をとる1症例を経験した.14歳ころより易疲労感を訴えたが,心拡大以外に特別な異常を認められなかった. 心エコー図検査にて心膜液貯留を認め,ドレナージ術により採取した心膜液の分析とリンパ管造影検査によりみられたリンパ系の形成異常より,prmary chylopericardiumと診断した.治療として心膜ドレナージ術とMCT食経口投与を行い心胸郭比の著明な改善,心膜液中のトリグリセライド値の低下を認めた.1年後にも心拡大は増悪傾向をみせず,内科的治療が有効と考えられた.長期経過にもかかわらず諸検査にて心機能の低下は認められなかった.
  • 桜田 徹, 贄田 茂雄, 猪股 昭夫, 大久保 正, 高野 英信, 殿岡 一郎, 金子 兼喜, 三田 重人, 星野 良平, 阿部 忠昭
    1982 年 14 巻 1 号 p. 104-109
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Fallot四徴症を合併した完全型心内膜床欠損症に開心根治手術を行い,救命し得た1症例を報告する.症例はダウン症候群の7歳男子で,著明なチアノーゼ,蹲踞を主訴にて来院し, 諸精査にて肺動脈弁狭窄症を伴った完全型心膜床欠損症と診断され,開心根治手術を行った.直視下検索にてRastelli C型の完全型心内膜床欠損症にFallot四徴症が合併したものと判明し,Rastelli法に準じて心内修復を行った.肺動脈弁は二尖癒合し狭窄状で,これを切開拡大した.術後心不全をきたしたが軽快し,現在遺残肺動脈弁下狭窄に関し経過観察中である,本症に対する根治手術例はこれまでに22例報告されており,心内修復はRastelli法によるものが多く,肺動脈弁狭窄には症例により種々の方法がとられている.これらに関し,若干の考察を加え報告した
  • 矢部 喜正, 長瀬 英義, 小山 信弥, 大沢 秀文, 内 孝, 真田 竹生, 小松 壽, 亀谷 壽彦, 鈴木 慎一郎, 森下 健
    1982 年 14 巻 1 号 p. 110-118
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    患者は40歳女性で昭和49年左心不全症状にて入院,その際血沈亢進,CRP陽性,白血球増多などの全身炎症所見を呈しsteroid投与を受け著効を示した. 昭和54年1月より労作時前胸部痛の出現を見,昭和54年6月Cine angiography施行.大動脈造影にて肥厚,拡張型gradeIII regurgitationを認め選択的冠動脈造影にて左主冠動脈に99%の入口部狭窄性病変と共に左前下行枝冠動脈近位部に血栓形成と思われる陰影欠損像を認めた. 昭和54年10月大動脈弁置換術後およびA-C bypass術施行し前胸部痛は寛解し術後のCineangiography study においても心機能の明らかな改善が得られた.また大動脈弁置換術の際採取された大動脈壁全層の組織学的検索では外膜側の線維性肥厚,豊富な栄養血管とその周周に著明な炎症細胞浸潤の病理所見を得た.大動脈炎症候群の冠動脈病変の合併は比較的まれとされるが今回著者らは本症候群に伴う大動脈弁閉鎖不全症並びに左冠状動脈入口部狭窄病変の合併例の興味ある1症例を経験した.
  • 肺“静脈”系の圧・容積関係
    後藤 紘司, 平川 千里, 平野 昭彦, 鈴木 孝彦, 藤原 英樹, 大角 幸男, 八木 安生
    1982 年 14 巻 1 号 p. 119-126
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 宮本 篤, 安藤 譲二, 村上 林児, 金森 勝士, 小林 毅, 安田 寿一
    1982 年 14 巻 1 号 p. 127-135
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 左室駆出率と左・右短絡率の推定
    中村 正彦, 長沢 亨, 鈴木 豊, 杉原 政美, 友田 春夫
    1982 年 14 巻 1 号 p. 136-142
    発行日: 1982/01/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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